Mars&Jupiter

おおくぼっちの屋根裏部屋へようこそ!

やっと復帰?、凝縮された音楽、ウェーベルンの小品、管弦楽のための6つの小品

2007-07-14 06:28:36 | 古典~現代音楽オーストリア編
体調はやっと回復し、復帰したといえるが、
大事をとって昨日もウォーキングはお休み。
家に帰ってからは、休養した。

昨日家で休養するかたわら聴いた曲は、
1883年生まれのウェーベルンの作品である。
シェーンベルク、ベルクと並び、
彼も新ウィーン楽派の中心的な人物である。

聴いた曲は、管弦楽のための6つの小品(作品6)と、
管弦楽のための5つの小品(作品10)である。
管弦楽のための6つの小品は約12分の演奏時間で、
各曲は、第4曲の約5分が最長で、
その他の曲が1~2分程度で短い。
第1曲目の冒頭からして聴き手は
ウェーベルンの独特な音楽宇宙の中に放り出される。
続く第2曲目の激しさと、第3曲目の静寂、
第4曲目の中でのドラマティックな展開、
第5曲目の再び訪れる静寂と空間、
第6曲目の繰り返す音の動きと静かに消えゆく音楽。

でも、管弦楽のための5つの小品はそれに輪をかけて、
各曲の小節は、短いもので第4曲の6小節、
長いもので第5曲の32小節でとにかく短い。
さらに徹底して凝縮された音楽になっている。
マンドリンという楽器の使い方が、とても効果的である。
音楽様式などすべて無駄なものを排除しつつ、
その中で作り出される微妙な音色の変化を
楽しんでいるようでもある。

ウェーベルンの音楽を聴いて感じることは、
やはり凝縮された音楽という空間の中で、
不思議なくらいの美が追求されていることだ。
ウェーベルンはただものではない。

ウェーベルンの音楽を聴いて思い出したことは、
中学・高校生の頃に楽譜上でやっていた
凝縮された音楽づくりごっごの体験である。
シェーンベルクの未完の作品、
管弦楽のための3つの小品を聴いて以来、
衝撃を受けた私は、楽譜に音符を書きながら、
数小節から十数小節で一つ一つの音楽を表現し、
その中で音楽を完結させることができるかを試したが、
それはとても難しく、ましてや美を加えるなんて余裕はない。
もちろん、私の試みは長続きせず、挫折したが、
今こうしてウェーベルンが残した作品を改めて聴くと、
とてもそこまでは到達しえないなと思ってしまうのである。
やはり、ウェーベルンも偉大なんだなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする