台風の日、そしてハンス・ロットの「ユリウス・カエサル」のための前奏曲

昨日は台風のため、ウォーキングは休み。
そんな中、パガニーニのヴァイオリン協奏曲や、
ベートーヴェンの交響曲第1番などを聴きながらすごす。

今日取り上げるのは、1858年生まれのハンス・ロットの作品。
26歳という若さで失意の中、発狂し亡くなったことは、
以前のブログで詳しい経緯を触れているので割愛する。

管弦楽のための前奏曲ホ長調は、1876年の作品で、
「ユリウス・カエサル」のための前奏曲は、1877年の作品。
いずれも交響曲の作曲にとりかかる以前の作品ではあるが、
曲を聴いた印象としては、交響曲との関係は密接な気がする。
マーラーは歌劇を作曲することに憧れてはいたが、
歌劇を作曲することはなかった。

ハンス・ロットがもし長く生きていたとしても、
彼が、歌劇を作曲することはなかったのではないだろうか。
とはいえ、二つの曲は、いかにもワグナーからの影響が濃く、
彼が、ワグナーの楽劇の世界に憧れていたのを感じさせる。
特に、「ユリウス・カエサル」のための前奏曲は、
そのことを感じさせる箇所が多く見られる。
豊かな音色を創り出すその管弦楽法は素晴らしいが、
長く生きていたら、どうなっていたのだろう。
きっと、ここまでが彼の限界であったのかもしれない。