Mars&Jupiter

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ヨハン・ヨーゼフ・フックスの「皇帝レクイエムK51-53」を聴きながら、横浜から星川まで歩く

2009-08-07 06:50:45 | バロック音楽声楽曲・合唱曲編
昨日は横浜から星川駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1660年生まれのフックス作品。
彼は1698年皇帝レオポルド1世の宮廷作曲家に任命され、
ウィーンの聖シュテファン大聖堂の礼拝堂副楽長、同首席楽長を務め、
1715年皇帝カール6世によって首席宮廷礼拝堂楽長に任命され、
終生この地位にあったオーストリアの作曲家である。
「皇帝レクイエムK51-53」は「死者のためのミサ曲」であり、
「レクイエム・エテルナム(永遠の安息を)」ともいうが、詳しい作曲年代は分からない。
皇帝の死をきっかけにこの作品が作曲されたとすれば、
仮に皇帝レオポルド1世の死後と想定すれば、1705年以降なのかもしれない。
今回聴いたCDはルネ・クレマンシックの指揮、
クレマンシック・コンソートの演奏によるものである。

「死者のためのミサ曲(皇帝レクイエムK51-53)」の
キリエ(主よ憐れみたまえ)は、オルガンと弦楽器の伴奏に乗り、
各声部が浮き上がって出てくるところが美しい。
ポリフォニックな音楽を見せ、所々では対位法的な扱いをし、
この作曲家の素晴らしい作曲技法をみることができる。
ルネサンス音楽的な部分とバロック音楽的な部分がみられる。
深い悲しみが伝わり、心にゆっくりとしみてくる曲である。
ディエス・イレ(怒りの日)は、合唱と弦楽によって激しく荒々しく始まる。
そのあとゆったりとした合唱に入り、トロンボーンが入り、
このトロンボーンとアルト独唱による音楽がしばらく展開される。
そして各独唱者が歌い、その各声部が絡み合っていくところは美しい。
まるでオルガン音楽を聴いているように各声部が幾層にも重なり合い、
壮大な音楽を作り出し、最後はアーメンのことばで穏やかに終わる。
この音楽を聴いていくと、ポリフォニックなこの合唱曲の延長線上に
ブルックナーの宗教曲があるのかなあという感じたりするものである。
コメント
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