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礁渓は台北から自強号(特急列車に該当)で約1時間半、莒光号(急行列車に該当)でも2時間弱で行くことができる、比較的交通アクセスの良い温泉地です。雪山隧道を抜けるバスを利用するのも便利でしょう。街のシンボルは何と言っても温泉であり、駅前には足湯が設けられ、駅舎の駅名標には温泉マークが掲げられているほどです。台湾では珍しく平野部に湧く温泉で、駅に降り立つと目の前には派手なビルが林立する温泉街が広がっています。
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温泉マークが掲げられた礁渓駅
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駅前の足湯
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中小のビルが林立する温泉街
この温泉街の中央にオアシスのような空間が広がる湯囲溝公園があります。この公園は日本企業が宜蘭県政府の依頼を受け計画・設計して2005年にオープンしたもので、共同浴場や足湯など温泉にまつわるいろいろな設備が整っています。ここには元々、お湯が流れる川を堰き止めただけの湯船がある男性専用の「湯囲溝公共浴室」という公衆浴場が存在していたのですが、この浴場をそのまま残した上で、新たにその隣接地に公園や新共同浴場「湯囲風呂」などを整備したのであります。
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男性専用の「湯囲溝公共浴室」。お湯が流れる川に屋根で覆っただけ
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公園内ではあちこちでこのように足湯を楽しむ人を見かける
さすが日本企業が手がけただけあって、共同浴場は造りも使い勝手も日本的です。以前からある「湯囲溝公共浴室」は男性専用ですが、こちらはちゃんと男女別に分かれており、それぞれの入り口には入場者数が表示されるようになっています。私の訪問時には男性浴室にはキャパシティ35人に対して21人の客が、女性浴室にはキャパシティ40人に対して定員オーバーの43人の客が、それぞれ入っていました。「湯囲溝公共浴室」が使えない女性客が悉くこちらに流れ込んできている模様です。
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お風呂場の入口 入場者数が表示される
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和風が意識された内部
台湾には珍しく、日本のように脱衣所とシャワーが分かれており、脱衣所にはロッカーとドライヤーが常備されています。日本同様全裸での入浴です。浴室は和風テイストな木造で、これまた日本同様カランが設けられており、ご丁寧にボディーシャンプーやシャンプーまで備え付けられています。
お湯は湯口から勢いよく出されていますが、源泉そのままかどうかはわかりません。重曹の影響でしょう、肌をさするとヌルヌルスベスベします。湯船のお湯は無色透明でほとんど無味無臭でしたが、カランのお湯からははっきりとタマゴの匂いがしましたので、カランのお湯は源泉そのままだと思われます。
ちょうどよい湯加減で、気持ちよいからか地元の方々の会話も実に饒舌でした。水着着用が求められる台湾で、日本と同じ感覚で気軽に温泉が楽しめる貴重な存在の共同浴場です。
炭酸気鈉泉(ナトリウム-炭酸水素塩泉)
45~60℃
宜蘭線・礁渓駅から徒歩10分
宜蘭県礁渓郷徳陽路99 地図
10:00~23:00(15:00~16:00は清掃のため休み) 無休
80元
私の好み:★★