今日からしばらくは台湾の温泉を紹介します。
今回取り上げるのは台湾東部の花蓮県にある紅葉温泉です。
平野が開け人口が多い台湾西部に比べて、東部は山がちで人口も少なく、その分自然が豊かで太魯閣などの観光名所も多く存在しています。話題の台湾新幹線は西部を縦貫しているので東部とは無縁ですが、近年は東部を走る在来線「東部幹線」に曲線でも高速通過できるJR九州の振り子型特急車両を導入した「タロコ号」が走るようになり、時間的に余裕を持って東部を旅することができるようになりました。紅葉温泉のある花蓮県なら、台北から日帰りすることも可能です。
瑞穂駅前 商店があるのはこの画角に見える範囲のみ。
原住民が暮らす村を抜けて紅葉温泉を目指す
東部幹線の瑞穂駅で下車し、駅の裏からまっすぐ西へ伸びる温泉路を約5キロほど行ったところに紅葉温泉があります。
ここは日本統治時代に開発された温泉で、当時は警察の療養所でした。赤い屋根をした木造平屋建ての母屋は昭和初期に建造された当時の姿のまま使われており、いまだに畳敷きの部屋も残っているそうです。
母屋の右隅にある受付で料金を払います。この受付の右隣には家族風呂のある棟が続き、母屋の裏には露天風呂が設けられています。建物は日本建築ですが入浴スタイルは台湾式で、露天風呂に入るには水着に着替えなければなりませんが、個室式の家族風呂ならばその必要はありません。家族風呂には脱衣所がありませんので、浴槽のある個室内で着替えることになります。尚、露天風呂には専用の脱衣所とロッカーがあります。
露天はプールのような槽が3つあり、手前がほとんど水、中央は33℃程、奥の槽が37℃前後で、暑い気候を考慮してかどの浴槽もじっくり温まるようなお風呂ではありませんが、一番奥の浴槽ならばのんびり長湯ができます。山の緑に囲まれて小鳥の囀りも聞こえて、ぬる湯が妙に心地よく感じられます。
バルブを開けるとドバドバ源泉が出てきます
向かい合わせに個室の家族風呂が並んでいます
一方の家族風呂はタイル張りの空の浴槽に自分でお湯を入れる仕組みになっており、バルブを開けると熱い源泉が勢いよく出てきました。そのままでは熱いので水を加えて湯加減を調節します。無色透明のお湯は湯口でほんのりと焦げたような匂いが漂い、味はほとんど無く、いくらかすべすべ感があります。尚、家族風呂の棟には個室の他に大人数が裸で入れる男女別の開放式お風呂もあって、こちらの浴槽には常にお湯が掛け流されていました。
内湯の大浴場
山懐に包まれた静かな環境で、日本の嘗ての姿を目にしながら新鮮なお湯を堪能できる、とても素晴らしい温泉でした。
炭酸気鈉泉(ナトリウム-炭酸水素塩泉)
47℃
東部幹線・瑞穂駅 徒歩1時間(タクシー:10分強)
(私は往路にタクシーを使い、復路は歩きました)
花蓮県瑞穂郷紅葉村188 地図
03-8872176
オフィシャルサイト
120元
私の好み:★★★