※残念ながら閉館したようです。
強首(こわくび)温泉は昭和39年に石油を掘削しようとボーリングしていたらお湯が湧き出したところです。石油試掘の際に発見された温泉はこの他にも新潟県の瀬波温泉や月岡温泉、山形県の羽根沢温泉などがありますが、それらと同様にこの強首温泉のお湯も油の匂いが特徴的です。
コワクビとは何だか物騒な名前のこの温泉は、綱引きで有名な刈和野から車で約10分程のところにあり、途中の道筋には温泉郷への案内板も立てられているので迷うことはないのですが、実際にたどり着いてみると温泉郷と呼ぶにはあまりに寂しいところで、住宅のある強首集落からは離れており、周囲には温泉宿数軒以外には何もなく、その宿も一軒一軒が離れて建っていてひっそりと静まり返っており、温泉郷というよりは場末のラブホテルが建ちそうな立地で、ひと気が全くありません。
強首温泉で最も規模の大きな宿は「強首ホテル」ですが、事前に調べたところによれば温泉を循環・消毒しているとのことだったので、1本手前の道沿いに建つ「おも観荘」へ行くことにしました。おも観とはどういう意味なのだろうと思いつつ玄関に立ってみたら、表札には雄物川観光と大きく書かれており、つまり雄物川観光を省略しただけなのでした。
玄関を開けるとまずはニャンコがお出迎え、声を掛けてしばらく経ったら奥から女将がやってきて、お風呂へと案内してくれました。お風呂は男女別の内湯がそれぞれひとつずつのみ。脱衣室には上がり湯用のボイラーのスイッチがあって、利用者が各自でON/OFFするようになっています。掛け湯をしてお風呂に入ろうとすると今度は旦那さんが登場し「熱くないですか」と聞いてくるので「良い湯加減ですよ」と返答すると、旦那さんはご自身でも湯加減を確かめた後「うん、大丈夫だ。いや、源泉の温度が安定しないもんでね」と仰っていました。ややもするとすぐ熱くなってしまうので旦那さんが適宜水で薄めているのだそうです。この時は小雨が降るやや肌寒い天気が幸いしてか、源泉そのままのお湯に何ら手を加えることなく入浴することができました。
浴槽は二つに分かれており、湯口のある手前側がやや熱め(計測時:41.9℃)になっていて、そこから奥側のややぬるめの槽(40.6℃)へと流れています。お湯は黄褐色にうっすら濁っており、手前側の浴槽より奥側の槽が濁りが濃くなっていることから、湯温の低下や空気との接触が濁りを濃くさせていることがわかります。濁りの原因である黄褐色の湯の華が沢山浮遊しており、これに黒い湯の華がポツポツ混じっています。湯の華の量が多くて浴槽の隅には滓になって沈殿しています。匂いは上述のように油の匂いが特徴的で、浴室に入るだけでツンと鼻を突いてきます。強いのは匂いのみならず塩味も強めで、これに苦味が加わって個性的な味を感じさせてくれます。塩味が強いということは湯上り後も温まりが強く、冬の寒い日に入れば湯冷めしないこと間違いないでしょう。
マイナーな温泉なのでなかなか注目されにくいところですが、お湯の良さや面白さは温泉マニアを納得さえるに十分な質を兼ね備えているといってよいでしょう。油田由来の温泉はどこもかしこも個性的で、湯巡りをする私のような者にとっては決して外せない名湯揃いです。
上がり湯用スイッチ
ナトリウム-塩化物泉
47.1℃ 330L/min (大場崎温泉・強首温泉2号の混合)
※残念ながら閉館したようです。
秋田県大仙市強首上野台15-16
TEL:0187-77-2229
私の好み:★★★
強首(こわくび)温泉は昭和39年に石油を掘削しようとボーリングしていたらお湯が湧き出したところです。石油試掘の際に発見された温泉はこの他にも新潟県の瀬波温泉や月岡温泉、山形県の羽根沢温泉などがありますが、それらと同様にこの強首温泉のお湯も油の匂いが特徴的です。
コワクビとは何だか物騒な名前のこの温泉は、綱引きで有名な刈和野から車で約10分程のところにあり、途中の道筋には温泉郷への案内板も立てられているので迷うことはないのですが、実際にたどり着いてみると温泉郷と呼ぶにはあまりに寂しいところで、住宅のある強首集落からは離れており、周囲には温泉宿数軒以外には何もなく、その宿も一軒一軒が離れて建っていてひっそりと静まり返っており、温泉郷というよりは場末のラブホテルが建ちそうな立地で、ひと気が全くありません。
強首温泉で最も規模の大きな宿は「強首ホテル」ですが、事前に調べたところによれば温泉を循環・消毒しているとのことだったので、1本手前の道沿いに建つ「おも観荘」へ行くことにしました。おも観とはどういう意味なのだろうと思いつつ玄関に立ってみたら、表札には雄物川観光と大きく書かれており、つまり雄物川観光を省略しただけなのでした。
玄関を開けるとまずはニャンコがお出迎え、声を掛けてしばらく経ったら奥から女将がやってきて、お風呂へと案内してくれました。お風呂は男女別の内湯がそれぞれひとつずつのみ。脱衣室には上がり湯用のボイラーのスイッチがあって、利用者が各自でON/OFFするようになっています。掛け湯をしてお風呂に入ろうとすると今度は旦那さんが登場し「熱くないですか」と聞いてくるので「良い湯加減ですよ」と返答すると、旦那さんはご自身でも湯加減を確かめた後「うん、大丈夫だ。いや、源泉の温度が安定しないもんでね」と仰っていました。ややもするとすぐ熱くなってしまうので旦那さんが適宜水で薄めているのだそうです。この時は小雨が降るやや肌寒い天気が幸いしてか、源泉そのままのお湯に何ら手を加えることなく入浴することができました。
浴槽は二つに分かれており、湯口のある手前側がやや熱め(計測時:41.9℃)になっていて、そこから奥側のややぬるめの槽(40.6℃)へと流れています。お湯は黄褐色にうっすら濁っており、手前側の浴槽より奥側の槽が濁りが濃くなっていることから、湯温の低下や空気との接触が濁りを濃くさせていることがわかります。濁りの原因である黄褐色の湯の華が沢山浮遊しており、これに黒い湯の華がポツポツ混じっています。湯の華の量が多くて浴槽の隅には滓になって沈殿しています。匂いは上述のように油の匂いが特徴的で、浴室に入るだけでツンと鼻を突いてきます。強いのは匂いのみならず塩味も強めで、これに苦味が加わって個性的な味を感じさせてくれます。塩味が強いということは湯上り後も温まりが強く、冬の寒い日に入れば湯冷めしないこと間違いないでしょう。
マイナーな温泉なのでなかなか注目されにくいところですが、お湯の良さや面白さは温泉マニアを納得さえるに十分な質を兼ね備えているといってよいでしょう。油田由来の温泉はどこもかしこも個性的で、湯巡りをする私のような者にとっては決して外せない名湯揃いです。
上がり湯用スイッチ
ナトリウム-塩化物泉
47.1℃ 330L/min (大場崎温泉・強首温泉2号の混合)
※残念ながら閉館したようです。
秋田県大仙市強首上野台15-16
TEL:0187-77-2229
私の好み:★★★