青森県・旧平賀町(現平川市)の田んぼの真ん中に一昨年オープンした新しい温泉施設です。訪問時は休日の夕方とあって、お客さんでごった返していました。付近には他にも温泉施設がたくさんあるのにどこも軒並み混雑しており、津軽人がいかに外湯を愛しているかを実感することができます。
内部は新しいだけあってどこも明るく清潔感があります。カランもたくさんあるので、体を洗うために待つようなことはありません。内湯は小さめの「あつめ」と大きい「ぬるめ」の浴槽に分かれており、それぞれ無色澄明のお湯が掛け流されています。「あつめ」の浴槽は5~6人入れる四角いもので、お湯がふんだんにオーバーフローしています。熱めとはいうもののちょっと熱い程度で怯えるほどのものではなく、寧ろ人によってはちょうどよいと感じるでしょう。一方「ぬるめ」はガラス窓に面した開放感のある大きな浴槽ですが、本当にぬるく設定されており、脱衣所の温泉分析表には「加水しています」と記されてあったので、水の量が相当多いものと思われます。この加水のためか、同表に記載されている「硫化水素臭」は感じられませんでした。しかしお湯自体が肌に馴染む優しい質感をもっているため、じっくり入るならば「ぬるめ」の方がよいかと思います。
屋外に出ると露天風呂と打たせ湯があります。露天風呂の湯口からは加水されていないと思われる熱いお湯が吐き出されており、自然冷却の形で浴槽に注がれています。湯口では熱いお湯も浴槽までの間に相当熱を奪われるようで、露天風呂は内湯の「ぬるめ」槽に負けないくらいにぬるめでした。でもお湯の質感を楽しみたいなら、加水の程度が最も少ない(あるいは無い)露天風呂が一番でしょう。風呂の大きさは5~6人入ればいっぱいになるもので、雪除けなのか単なる装飾なのかお風呂には菰が被せられており、この菰のお蔭で若干窮屈さが感じられました。また打たせ湯には経営者の信仰によるものなのかあるいは単なる装飾なのか、打たせ湯の前には鳥居が立てられ、「無病息災打たせ湯」「発業活命打たせ湯」と書かれた札も提げられていて、打たせ湯なんだか滝行なんだかわからない有様でした。
しかし、そんなことがどうでもよくなるほど心を奪われたのが、目の前に聳える津軽富士こと岩木山。辺りは田んぼで視界を遮るものが何も無く、実に美しい山の姿を眺望することができるのです。露天風呂に入ったときはちょうど西の空に夕日が沈む時間で、岩木山が夕日に映えてくっきりと浮かび上がっていました。
この他、温泉とは別棟になっていますが、食事処や農産物直売所、ペット用の温泉もあり、新しさや設備の充実さでご近所さんのハートをがっちり掴んでいるようです。
内湯。手前の小さい浴槽が「あつめ」、大きな浴槽が「ぬるめ」
露天風呂(菰が被せられています)
(逆光で見えにくくて申し訳ありません)
鳥居が立てられた打たせ湯
美しく聳える津軽の霊峰岩木山
アルカリ性単純泉
50.7℃ pH8.72 517L/min(動力) 成分総計540mg/kg
青森県平川市館山板橋19-2 地図
0172-44-4210
ホームページ
5:00~22:00 350円(5:00~8:00は300円) 無休
ドライヤー・ロッカー有り
私の好み:★★