温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

野沢温泉 松葉の湯

2023年10月06日 | 長野県

(2022年6月訪問)
前回記事に引き続いて野沢温泉の共同浴場を巡ってまいります。
今回訪ねるのは「松葉の湯」。小規模な旅館が軒を連ねる温泉街の中にあり、スキー場へ上がる坂道の途中に位置しています。この浴舎は2階層になっており、道路に面した1階部分は・・・


地元の方が洗濯など日々の生活で使用する洗濯場。当然入浴は出来ません。野沢温泉ではこの「松葉の湯」のほか、「熊の手洗い湯」にも洗濯場があります。


洗濯場内部の様子。その名の通りに温泉のお湯を使って洗濯するほか、野沢菜を洗う時にも洗濯場のお湯を使うそうです。さすが歴史ある温泉地らしく、温泉と生活が密接に結びついているのですね。


階段を上がった2階がいわゆるお風呂。男女別に分かれた出入口のドアを開けて脱衣室へ上がります。野沢温泉に計13ヶ所ある共同浴場の多くは、脱衣場と浴場との間に仕切りが無い一体型の構造が採用されていますが、この「松葉の湯」は脱衣室と浴室の間がサッシ類で仕切られており、野沢温泉の共同浴場では珍しいスタイルです。
浴室には黒御影石の縁が印象的な浴槽が一つあり、壁に沿って水栓がいくつか設けられていますが、シャワーやお湯が出る水栓は設けられていませんので、体を洗う際のお湯は湯船から直接汲むことになります。


私はこの「松葉の湯」を何度か利用したことがあるのですが、湯船のお湯は、ある時は無色透明で白い湯の花が浮遊していたり、またある時は上の画像のようにはっきりと白濁していたりと、その時々によって見え方が異なっていました。硫黄泉ですので、時間・気温・水温などいろんな要因によって姿を変えるのでしょう。こちらに引かれているのは大釜源泉と御嶽源泉のミックス。湯口から出るお湯を口に含んでみますと、ふんわりと優しく硫黄の香りや味が感じられました。アルカリ性に傾いていることや炭酸イオンが多いなど滑らか要素をたくさん兼ね備えているためか、湯中ではツルスベの心地よい浴感が楽しめ、ちょっと熱めですが大変良いお湯です。

なお浴場内に掲示されていた平成30年分析の分析表によれば溶存物質0.998g/kgとのことですので、あと0.002gあればアルカリ性単純硫黄温泉ではなく、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉という泉質名を名乗っていたでしょうし、この程度はほとんど誤差みたいなものなので、分析するタイミングによっては明確に含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉であるのでしょう。


大釜及び御嶽の混合泉
アルカリ性単純硫黄温泉 76.0℃ pH8.5 160.0L/min 溶存物質0.998g/kg 成分総計0.998g/kg
Na+:189.4mg(64.35mval%), Ca++:86.8mg(33.82mval%),
Cl-:89.1mg(18.67mval%), OH-:3.9mg, HS-:15.7mg, SO4--:456.1mg(70.52mval%), CO3--:20.4mg
H2SiO3:119.4mg, H2S:0.5mg,

私の好み:★★★
コメント (2)
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