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青森県の津軽地方は温泉の宝庫で、至る所に温泉の共同浴場を見つけることができ、温泉マニアにとっては垂涎の地であります。今回はそんな津軽の西の果てに湧く風変わりな温泉をご紹介します。
西津軽郡深浦町の人気観光施設「ウェスパ椿山」は文字通り、日本海へ瘤のように突き出た半島状の椿山の傍に立地しているのですが、この椿山の瘤の付け根にちょっとした野湯があります。
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野湯といっても本当にそこで自然に湧いているのではなく、崖の上に立つウェスパ椿山「展望風呂」用の源泉井戸が海岸にあり、そこから溢れ出た熱湯がそのまま海へ流れ、海水と混じって程よい湯加減になっているものです。湧出量に対して使用量が少ないために余った分が捨てられているのだと思われますが、鉄分を含んだ大量の新鮮且つ透明な熱湯が源泉井のパイプからドバドバと吐き出され、温泉の注がれた海はその成分のために辺りが赤く染まっているほどです。
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↑このように源泉井の近くではふつふつと自噴しているお湯もあります。
お湯を口に含むと塩辛さと苦汁の味、そして金気が充満して成分の濃さを実感します。
浴槽はないので石ころを集めて自分で浴槽を作ってください。もしくは先人がこさえた湯船をそのまま使ってしまいましょう。お湯はそのままだと大変熱いので、海水とブレンドさせるとちょうどよい湯加減になります。
五能線は本数が少ないので、鉄道旅行向きではないかもしれませんが、もし車でお近くまで来た際は寄ってみるのも一興かと思われます。ただし季節は限られますが…(そして夏の盛りになると夥しい数のフナムシが湧きますが…)
含鉄(2)-ナトリウム塩化物強塩泉 50.9℃
(データは崖の上の展望風呂のもの)
五能線・ウェスパ椿山駅 徒歩約15分
(駅を出たら海に向かって歩き、途中に立つ椿山への道標に従って進む)
青森県西津軽郡深浦町舮作鍋石 地図
私の好み:★★★