会津野沢温泉 清兵衛温泉

※現在休業中


西会津町を東西に貫く国道49号沿いの蕎麦屋さんの裏に、知る人ぞ知る温泉があります。蕎麦屋の名前は古澤屋といい、駐車場が広いドライブインスタイルで入りやすい雰囲気です。この店は会津産の蕎麦粉を100％使用して手打ちしているという徹底ぶりで、蕎麦を噛んだときに喉から鼻へ抜ける蕎麦の香りが何とも言えません。



さて本題のお風呂ですが、ここで食事をした人は無料で入ることができます。ただし、いつでもお風呂に入れる準備がなされている訳ではありませんので、事前に（注文時に）入浴したい旨を伝えておきましょう。

そもそもはこの蕎麦屋のオーナーが自分のために造ったものらしく、このため湯屋は店の裏手に控え目に建っているのですが、あまりに良い湯だからみなさんにも提供しようということで、私もその恩恵に預かることができたわけです。お店でノートに記名し、カギをもらって、早速湯屋へ向かいます。

お風呂を見てびっくり。吐出口からはドバドバお湯が吐き出されて、浴槽からは勿体ないぐらいザコザコと溢れ出ています。こんな贅沢な湯使いのお風呂、本当に無料で入ってよいのだろうか、と自問自答してしまうほど。
無色透明ながらやや白濁して見えるのは気泡がたくさん存在しているからで、入浴すると肌にびっしり気泡が付着します。お湯を口に含むと薄塩味に薄い出汁の味が加わったように感じられ、特に匂いは感じられませんでした。ややぬるめのお湯なので長湯でき、肌を触るとツルツルスベスベしてとても気持ちが良い。阿賀川沿いの景色と相俟って実に気持ちよく入浴することができました。


　
湯屋の外観と、浴室内部。お湯が夥しい数の気泡で白濁しています


ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
39.5℃　pH8.29　

JR磐越西線・野沢駅　徒歩約30分（2.3km）
福島県耶麻郡西会津町野沢字道下乙112-5
0241-45-4000
国道49号沿い

10：00～19：00　火曜定休
店内で食事をすれば無料

私の好み：★★★

ほたる温泉 長寿乃湯

※閉鎖されております。



昨日に引き続き、志賀高原の温泉をご紹介します。
志賀プリンスホテルの裏手には、ホテルの厚意によって開放されている小さな共同浴場があって、それがほたる温泉「長寿乃湯」です。

板張りの外観は仮設小屋のような佇まいで浴槽もポリバスですが、お湯は常に掛け流されていて新鮮そのもの。無色透明で殆ど無味無臭です。志賀高原の観光名所「平床大噴泉」からお湯を引いているようなので、本来ならば硫黄分が感じられてもよいはずですが、どうやら入浴しやすいように硫黄分は抜かれているようです。
なるほど硫黄ならではの面白みはありませんが、その分万人受けするような優しい泉質になっています。湯上りもとてもさっぱりします。

ネット上では「無料で入れる」なんて紹介しているところもありますが、老朽化による維持に御苦労されているようなので、是非寸志を払った上でお風呂を楽しんでください。




源泉の平床大噴泉


単純泉
43.5℃ pH=7.3 成分総計225.2mg/kg


JR長野新幹線・信越本線他　長野駅から志賀高原行急行バスで約1時間半強、硯川・ほたる温泉下車0分
あるいは長野電鉄・湯田中駅より長電バスで約45分、硯川・ほたる温泉下車0分
長電バス　ホームペ－ジ

長野県下高井郡山ノ内町志賀高原ほたる温泉
0269-34-2824
志賀プリンスホテル　公式サイト


7:00-21:00
寸志

私の好み：★★

熊の湯温泉 熊の湯ホテル

信州・志賀高原では有名な温泉で、冬になればスキー・スノボーの客で賑わう規模の大きなホテルです。北海道・羅臼の熊の湯と同じようにこちらの熊の湯も硫黄泉ですが、その質は全然違います。

羅臼の熊の湯は乳白色の濁り湯ですが、こちらは鮮やかな黄色の透明で、たまご味と甘味に苦味が混じりあう味覚が感じられ、硫化水素の臭いが鼻をくすぐります。入浴するとキシキシ感とスベスベ感が同時に感じられ、浴槽底には灰色と緑色が混じったような湯の花が沈澱していました。内湯の注湯口には柄杓が置かれていて飲泉することができます。勿論源泉かけ流し。

露天風呂で高原の清らかな空気に包まれながら湯浴みするのは実に爽快です。また重厚感のある木造の内湯でじっくりお湯を堪能するのもまた佳し。私が訪問したのは初夏でまだ観光シーズンではないからなのか、内湯も露天も長い間お湯を独り占めすることができました。


重厚感のある内湯と石造りの露天

含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉
67℃　pH 7.5　72L/min

JR長野新幹線・信越本線他　長野駅から志賀高原行急行バスで約1時間半。
あるいは長野電鉄・湯田中駅より長電バスで約30分。
いずれも蓮池ターミナルまでなので、そこで志賀高原内を走るバスに乗り換え、熊の湯まで10分。
長電バス　ホームページ


長野県下高井郡山ノ内町平穏7148
0269-34-2311
オフィシャルサイト

12:30 ～ 15:30
1000円

私の好み：★★

いわき湯本温泉 上の湯

温泉に恵まれた福島県も常磐線沿線に当たる浜通り地方になると俄然その数を減らしてしまいますが、その中で燦然と輝いているのがいわき湯本温泉です。

かつては常磐炭田で栄えた街だけあって、当地には共同浴場がいくつか存在しています。このうち「さはこの湯」はいわき湯本温泉のシンボリックな外湯であって観光客も多く訪れていますが、その他は地元民向きと言えましょう。
今回はそんな地元民向きの外湯のひとつ「上の湯」をご紹介します。



日暮れ頃に訪れると地元の方で賑わっていました。台形の浴槽には緑灰色をして微かに濁ったお湯が張られ、白い湯の花がたくさん舞い、常に浴槽からお湯があふれ出ています。焦げたような硫黄臭が鼻を突き、弱塩味にたまご味と酸味が感じられます。熱いお湯なので長くは浸かっていられませんが、それでもツルスベ感は感じられ、湯上りは非常に爽快です。

含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉
59.0℃ pH8.1 4750L/min（動力揚湯）

JR常磐線・湯本駅　徒歩15分（約1.2km）

福島県いわき市常磐湯本町　地図
（1階は「上川地区集会所」）

15:00～22:00　無休
100円
ロッカーあり

私の好み：★★★

黄金温泉 黄金温泉健康センター

甲府盆地といえばかつては養蚕が、今では果樹栽培が盛んですが、実は隠れた温泉の宝庫でもあります。とはいえ温泉郷のようなものは石和や湯村以外には無く、多くが小規模のＢ級なものばかりです。しかしＢ級と侮ること勿れ、泉質はいずれも良質揃いなのが面白いところです。

「黄金温泉健康センター」は国道20号バイパス沿いに建つ緑色の独特な雰囲気を醸し出す建物で、中に入ると雑然とした空間の中に絶え間なく演歌が流れ、外観から伝わってくる怪しいＢ級感を裏切りません。



しかし肝心のお湯は素晴らしい。モール泉のような匂いが漂い、お湯は透明ながら金気で紅茶色に染まっており、味覚は薄いものの金気味とゴムのような味が感じられます。やわらかい浴感で肌がすべすべし、少しながら泡つきもあります。そんなお湯がいくつかある浴槽全てで豪快に掛け流されていて、実に贅沢な気分を味わえました。

温泉ファンならば外観やロビーから伝わってくる怪しい雰囲気にめげることなく、お湯を信じて中へ入ってみて下さい。

ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉
46.0℃　pH7.4　384L/min　成分総計1.446g/kg

JR身延線・甲斐住吉駅　徒歩15分弱
山梨県甲府市上小河原町1244-1
055-241-8115
オフィシャルサイト

9:00～24:00（委細はオフィシャルサイトを参照）　500円
ドライヤー・サウナ有

私の好み：★★