温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

いわき湯本温泉 旅館こいと

2011年04月25日 | 福島県
(この記事は震災の一ヶ月前に訪問した時の様子を書き起こしたものです。現在もこちらのお宿は営業中ですが、もしかしたら若干の変更点があるかもしれませんので、ご了承ください)



いわき湯本温泉の中心部、温泉神社の近くに位置する旅館のひとつです。昼間の限られた時間帯に日帰り入浴を受け付けているので、その時間を狙って訪問しました。


旅館とはいえ、なかなか立派なロビー。一角には相田みつをギャラリーなるものが併設されていました。

 
ロビー奥の専用入口からお風呂へと向かいます。まずこちらで靴を脱いでスリッパに履き替えましょう。この下足場はちょっと狭めかも。


下足場からトンネル状の通路を歩きます。

 
壁面には旅館従業員の方が温泉についていろいろと説明している手書きの貼紙が掲示されています。手書きならではのぬくもりがたっぷり。お客さんに分かりやすく訴えようとする熱意が伝わってきますね。

 
トンネルを抜けると脱衣所入口。そして脱衣所。休日の午前11時頃に訪問したのですが、お客さんは入れ替わりながらも常時5~7人をキープしており、人気の高さが窺えます。


奥へ長い内湯は、片方に洗い場が、もう片方に浴槽が並んでいます。カランはシャワー付き混合栓が10ヶ所で、硫黄のために金具が硫化して黒ずんでいます(これぞ硫黄泉であることの嘘偽りの無い証拠ですね)。
浴槽は手前と奥で二分割されており、それぞれ7~8人サイズ、手前がぬるめ(約40℃)、奥がやや熱め(約42度)で設定されています。手前の槽は源泉の投入量がかなり絞られており、加水もされているのか、お湯はほぼ無色透明ですが、ちゃんと硫黄らしさ(匂い等)は感じられます。一方、奥の槽は源泉そのままで投入されており、透明ながらも抹茶ミルクのような白みを帯びたエメラルドグリーン。湯口から注がれるお湯は50℃近いため、投入量を絞ることによって湯温を調整しているようです。


子供用のビニールプールもありました。小さな子供連れでも安心ですね。

 
露天風呂は建物と敷地裏手の斜面の間のわずかな場所に、工夫して頑張って作り上げたような感じ。浴槽でほとんどを占められているため、湯上りにクールダウンするようなスペースはあまり確保されていません。岩風呂風の浴槽は6~7人サイズ。外気で冷却されることを見込んでいるのか、お湯の投入量はしっかりおり、湯加減もちょうどいい具合でした。この冷却効果のためか、内湯で見られた緑色は薄くなる代わりに、白色が強調されて弱く濁り、浴槽内の石には硫黄分が白く付着しています。またそこから剥がれた白い浮遊物もちらほら。鼻をツンと刺激する強めの焦げたような硫黄臭は、いわき湯本ならでは。マイルドな塩味+芒硝味+ほろ苦さ。食塩泉的ツルツルと硫酸塩的キシキシが混在する浴感でした。

この界隈の旅館では同様に日帰り入浴が楽しめますが、客に対する細かな配慮が至るところから感じられるこちらのお宿にはとっても好印象を抱きました。楽天トラベルやじゃらんなどの宿泊予約サイトで高評価を得ているのも首肯できます。
震災後、源泉温度が若干下がってしまったようですが、今では問題なく営業しているようです。



湯本温泉源泉
含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 59.0℃ pH8.1 4750L/min(動力揚湯) 溶存成分1.740g/kg 成分総計1.743g/kg

JR常磐線・湯本駅より徒歩10分弱(約560m)
福島県いわき市常磐湯本町笠井1  地図
0246-42-2151
ホームページ

日帰り入浴11:00~14:30
800円
ドライヤー・ボディーソープ&シャンプー類あり、貴重品は帳場預かり

私の好み:★★★



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大塩温泉の季節限定露天風呂、ついに解禁(2011年)

2011年04月23日 | 福島県
1年で雪解け期の1ヶ月程度しか湧かない期間限定の温泉「大塩温泉露天風呂」が、今年(2011年)も昨日(4月22日)から一般者に開放されました。露天風呂は民宿たつみ荘の敷地内にあり、宿泊者はこれより数日前から入浴することができていましたが、雪解け&雪かきが進んだために、昨日からようやく日帰り立ち寄り客にも開放されたのです。

なお、奥会津の一帯はまだ山肌・路肩などに雪が残っていますが、路面は乾いているので、ノーマルタイヤで問題なく通れます(4月22日現在)

露天風呂を利用する際には、あらかじめ民宿たつみ荘に一声かけて下さいね。
詳しくはこちらをご覧ください。


おお! いつもは空っぽなコンクリの浴槽に、赤いお湯が満たされていますね。
同じ福島県でも三春の桜は満開なのに、奥会津の山肌にはまだ雪が残っています。


底から飛び出ているパイプからは自然湧出で勢いよくお湯が噴き出ています。雪解けの水により地中の源泉溜まりが被圧され、これによってこの季節だけ湧出するみたいです。絶え間なくお湯が出る様を眺めているだけでもちっとも飽きません。
しかも湯加減が38~9℃というのがこの上なく嬉しいところ。何らの手を加えなくてもこの湯加減なんですから素晴らしいですね。まさに自然の恵み。何時間でも浸かっていられます。極楽極楽!

薄い塩味+出汁味+金気味+炭酸味。炭酸らしさがはっきり出ています。湧出ポイントあたりにいると、炭酸の泡がパチパチ弾けるのがよくわかります。赤く強く濁るお湯で、湯あがりは全身が薄っすら赤く染まってしまいます。タオルで拭うと赤く染まっちゃうので、捨ててもよいタオルを持参することをおすすめします。
ぬるめの湯加減ですが、炭酸の温浴効果のおかげで、湯あがりは体の芯からポカポカします。


湯浴みしていると、ホイッスルを鳴らしながら只見線が川の対岸を走っていきました。
あぁ、長閑だなぁ。
家に帰りたくない。

単にワイルドというだけでなく、お湯の質や湯加減が良好で、只見川を眺望できるロケーションも素晴らしく、そして期間限定という希少性も加味されるため、ファンの心を惹きつけてやみません。



福島県大沼郡金山町大字大塩字休場3106-2  地図
0241-56-4158 (たつみ荘)

9:00~16:00
利用時にはたつみ荘に声をかけてください。

私の好み:★★★



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三春の滝桜、そして郡山のB級グルメ (2011年4月22日)

2011年04月23日 | 福島県
(今回の記事には温泉は登場しませんのであしからず)


★三春の滝桜・2011

福島県三春の滝桜、今年も満開になりましたよ。
絢爛に咲き誇っています。

 
昨日(22日)は曇り空でしたが、日中は雨が降ることもなく、すごしやすい気温で、のんびりお花見できました。


さすが樹齢1000年を誇るだけあって、貫禄がひしひしと伝わってくるとっても立派な幹ですね。


別のアングルからも撮影。見惚れちゃいます。


平日とはいえ、例年だったらもっと人出があるはずですが、昨日はご覧のような状態。ま、おかげで人ごみを気にする必要はなかったのですが…。
駐車場も待ち時間無しで入れ、殆どが県内ナンバー。他県ナンバーはあまり見られません。やっぱり福島県ということで敬遠されちゃっているのでしょうか。


★クリームボックスと酪王カフェオレ

さて、「花より団子」じゃありませんが、ちょっと小腹が空いたので、あるものを求めに郡山市街へ。
その「あるもの」とは…

郡山名物のクリームボックス! 郡山市民なら誰でも知ってる菓子パンですが、なぜか県内でも他の市町村ではほとんど売られていないローカルフードなのであります。私はこれが大好物。市内のいろんなところで売られていますが、私はイトーヨーカドー1階のパン屋さん「ロミオ」のものが好きです。
午後1時の焼き上がりを狙って訪問したら、1時からまだ数分しか経っていないというのに、もう少しで売り切れちゃいそうでした。それだけ人気なんですね。


次の目的地へ急いでいたので、車の中でクリームボックスを頬張りました(@うねめ通り)
フワフワの厚切り食パンの上に、ミルククリームを載せただけの、極めてシンプルなものですが、このクリームがめちゃくちゃ美味い。単なるミルククリームじゃなくて、はちみつやらサワークリーム?やら、鈍感な私の舌ではよく判別できないのですが、とにかくいろいろとブレンドされているみらいです。
しかも1つ100円。この安さも魅力的!
これ、全国区で売ってくれないかしら。絶対に売れると思うんだけどなぁ。


パンのお供はやっぱり牛乳でしょう。福島県民のソウルフードならぬドリンク、「酪王牛乳」と「酪王カフェオレ」です。特に「酪王カフェオレ」は熱心なファンが多いですよね。
震災後はしばらく出荷が停止され、その後生産が再開されてましたが、現時点でも福島県産生乳ではなく、岩手県産で代用されています。でも県内のスーパーやコンビニの店頭では既にたくさん売られています(先週はいわき市内でもたくさん買わせていただきました)。早く震災前のように福島県産100%の生乳で生産されることを祈ってます。


さぁ、みなさんも福島県に出かけて、三春の滝桜を愛でに行きましょう!
首都圏ならば余裕で日帰りできますよ
(尤も、できれば宿泊していただきたいのですが…)

「I love you & I need you ふくしま」猪苗代湖ズ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プレジャーランド石神温泉

2011年04月22日 | 青森県
 
むつ市街(田名部)から大畑へ向かう途中、関根地区の中心をちょっと過ぎた国道脇に建つ温泉入浴施設。名前にプレジャーランドなんて横文字が並んでいますが、その実は昭和の面影を色濃く残す典型的な温泉銭湯です。宿泊もできて食堂も併設されています。駐車場には演歌が大音量で響いています(^^)


目の前に立つバス停の待合室はパンダのペイントが施されていますが、ちょっとシュールで不気味。子供が夜に見たら夜泣きして知恵熱が出るかも。


受付カウンターで料金を払って中へ。大きなカラオケ機が置かれた大広間の外側を迂回する感じで浴室へ。途中には休憩スペースがあって、窓から宇曽利山の美しい稜線が望めます。ソファーでは湯上りのおじさんたちが紫煙をくゆらせていました。


脱衣所の様子。屋外同様、館内にもスピーカーから演歌がエンドレスで流れています。もちろん脱衣所にも。初めて聞く曲ばかり…。


奥行の長い浴室です。洗い場には青森県の共同浴場に共通してみられる押しばね式カランと固定式シャワーが計24ヶ所並んでいます。洗い場近くにはサウナと水風呂あり。

浴槽は湯口のある手前側と、排湯口のある奥側の二つに分かれており、手前側はかなり熱め。湯使いは加温した上での放流式(掛け流し)でひて、湯口から手前側の槽に落とされたお湯は縁からオーバーフローすることなく奥側の槽へと流れ、そのまま排湯口で捨てられていきます。手前側の槽が熱いということは、加熱しすぎなんですね。

手前側の槽は薄い深緑色に弱く濁っていますが、奥側槽では黄緑色にちょっと変色して透明度が30cmほどになります。微妙な温度差が色に変化をもたらしているわけです。なお奥側槽にはジェットバスが設けられており、槽のネームプレート右側にあるボタンをセルフで押して作動させます。

ここのお湯は非常にしょっぱく、微かに金気も含まれているようです。まるで海水を濃縮させたかのような塩辛さでして、臭覚も海水っぽい匂いと微かな金気臭が混ざって感じられました。湯口はステンレス製ですが、塩分が強いためか赤い錆が発生しちゃっています。けっこうキシキシする浴感で、湯あがりは塩分のためにベトベト。ただでさえ火照りの強い凶暴な泉質なのに、かなり余計に加温しているので、特に手前側の槽は熱すぎて誰も入ろうとしません。奥側の槽でも誰も長湯できず、さっさとお湯から上がっては縁に腰かけてグッタリしています。夏にこのお湯に入ったら相当体力を奪われそうだ…。


一応露天風呂があって、ここからも宇曽利山が眺められるのですが、肝心のお湯は鈍っていてぬるく、黄土色の気味悪い沈殿も溜まっていたため、こちらには入浴しませんでした。

凶暴な強塩泉と格闘したい酔狂な御仁は、是非ここのお湯と一戦を交えてみては。


関根3号泉
ナトリウム-塩化物強塩泉 40.3℃ 溶存物質32.36g/kg 成分総計32.39g/kg

JR大湊線・下北駅から下北交通バスの佐井行か大畑行に乗車して石神温泉下車すぐ
青森県むつ市大字関根字北関根ノ内袖角地342-61  地図
0175-25-2411

6:00~22:00
420円
ドライヤー3分50円、シャンプー等は販売、貴重品はフロント預かり

私の好み:★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

下風呂温泉 まるほん旅館 再訪(2011年1月)

2011年04月21日 | 青森県
今年1月に所用で函館へ赴き、単純に自宅と函館を往復するのはつまらないので、帰路はフェリーに乗って下風呂へ寄る事にしました。

 
函館駅前を朝8:40に出発するフェリー埠頭直行バスに乗車(運賃300円)。悲しい哉、乗客は私一人だけ。バスは国道をかっ飛ばして9:00ちょうどに埠頭到着。ご覧のようにターミナルビルはとっても立派な建物。津軽海峡フェリーって経営環境悪いんじゃなかったっけ?

 
横殴りの雪が降ったと思えば、忽ち晴れ、良かったと気を抜いていると再び吹雪くような目まぐるしい変化を見せたこの日の天気。歩いて大間行きフェリー「ばあゆ」に乗船。定刻9:30に出航。廃止が噂されるこの航路ですが、この時は20人近い団体客の他、私のような一般客の姿もちらほら。決して需要は低いわけじゃないようですが、採算ラインに届かないんでしょう。


11:10に大間港到着。やっぱり下北半島は函館より雪が少ない。

 
フェリー埠頭から歩いて5分ほどの寂しい集落の中にある根田内バス停から下北駅行バスに乗車。ここから乗った客はやはり私一人。車内には頬っかむりをしたおばちゃんが何人か乗車していました。辺りの景色といい人々の恰好といい、北海道から下北半島へ渡ると、時計の針が思いっきり逆回しされたようで、昭和の寒村漁村の姿がそのまま残っているのであります。


雪に覆われ凍てつく下風呂のメインストリート。今冬の下風呂は雪が多い気がします。


数ヶ月前にもお世話になったまるほん旅館さんへ今回も投宿。女将も若女将もとっても親切で家庭的で、お客さんとの距離の置き方が絶妙。ちゃんと私のことを憶えていてくれました。「お世話になります」より「ただいま」と声を掛けたくなるお宿なので、私はすっかり気に入ってしまいました。

 
今回通されたお部屋は海が見える広い角部屋です。

 
花より団子、温泉より飯。無芸大食な私は、何はともあれ、夕食が楽しみなのです。10000円+ちょっとの料金プランでお願いしたのですが、どうですか、このボリューム。
全部平らげるのに1時間以上もかかっちゃいました。海産物には目が無い私は欣喜雀躍しちゃう献立で、殊にこの時は鮟鱇のシーズンが始まった頃だったために、旬の鮟鱇料理(味噌鍋・肝の揚げ物・あえもの等)に舌鼓を打たせていただきました。いやぁ、美味い!

 
こちらは朝食。やはり海産物のオンパレードで、朝から嬉しい限りです。筋子と烏賊の刺身はご飯が進みますね。就中注目すべきは烏賊の塩辛の鍋。塩辛を火に通すことによって生臭さが消え、食べやすいマイルドな風味に変わるのです。この塩辛鍋でもご飯が進み、お櫃はすっかり空になってしまいました。

 
温泉のブログなので、温泉のことも書きましょう。
この晩は男性客が私一人だったので、お風呂を独り占めすることが出来ました。脱衣所から浴室へ下りる階段で鼻をくすぐる硫黄の香りがお湯への期待を高めます。
以前の記事では「ここのお湯は乳白色に濁っている」という内容を書きましたが、それは先客がいる場合で、しばらくお湯を放置しておくと、濁りが沈殿して無色透明の上澄みが発生するのです。それを掻き混ぜると綺麗な乳白色濁りに早変わり。
厳寒期だったためか、今回は加水せずそのままでちょうど良い湯加減でした。
収斂する酸味+弱塩味の硫黄泉、肌に優しくスベスベで、いつまでも入っていたい素晴らしいお湯です。

美味いもんで腹を満たし、乳白色の硫黄泉で夢心地になり、もう後は布団にくるまって高鼾をかくだけ。下風呂最高! 
後日わざわざ訪問時の私の画像をプリントしたハガキを郵送してくださいました。細かな心遣い、ありがとうございます。
またお世話になります。


大湯(再)
酸性・含硫黄-ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型)
64.0℃ pH2.4 湧出量測定不可 溶存物質3.2983g/kg 成分総計3.6112g/kg

JR大湊線・下北駅から下北交通バス佐井・大間方面行で下風呂下車(約1時間10分)
青森県下北郡風間浦村下風呂字下風呂113  地図
0175-36-2330
ホームページ

立ち寄り入浴7:00~21:00
宿泊利用のため現金での入浴料金はわかりません

私の好み:★★★

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする