パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

オレンジページ

2022年07月23日 | 本・マンガ・テレビ・映画
7月23日(土)晴れ

町の小さな図書館で本を借りる。
料理本と、刺繍の本と、クラフトバンド の本と、伊坂幸太郎氏の本と、高瀬隼子氏(←今期の芥川賞受賞者)の本を抱えてカウンター前に行く。
カウンター前には雑誌コーナーがあって少し前のものなら借りられる。
クロワッサンやオレンジページ、趣味の園芸やきょうの料理、タウン誌等が並んでいる。
季節外れのものしか残っていない事が多いが、たまたまオレンジページの8月号があったので合わせて借りてみる。
「パパッと作れるのっけ飯」が特集である。
素麺、ざる蕎麦、冷やし中華のローテーションに飽きたランチ用に良いんじゃないの。

東京でのマンション暮らしの時はコンロがIHだった。
だから火の熱さを忘れかけていた。
今、ガスコンロに戻って、ああ火とはこんなに熱いものだったのかと。
かと言って、電子レンジ調理も苦手である。
歴代のレンジたち、誰ともうまくいかなかった。
悪態つきながら使うわ、愛情ないから掃除もしない、となると庫内のこびりつきもひどくなって・・・の繰り返し。
今回の引っ越しに伴い新調したレンジは、掃除だけはマメにしよう、おそらく人生最後のレンジとなるだろうからと思ってはいる。
でも信用はしていない。
解凍と温めと、パウンドケーキを焼くくらいで、主な調理工程をこいつに任せる気はない。
そんな大役は、まだ炊飯器の方が信頼おける。
あれ?なんの話じゃ?
とにかくワタクシは、電子レンジを信用していないということと、ガスの火は思っている以上に熱いということ、だけどワタクシ、頑張っているよという事を言いたいわけで・・・
ちがうちがう。
ホントは雑誌「オレンジページ」の話をしたいのでした。
それも、こちらの雑誌のメインである料理の話ではなく・・・

図書館から帰ってきてぱらぱらとめくりながら「あ〜素麺もこういうアレンジしたらいいのねえ〜」とか、「明日はこのクッパにしようかしら」とか思いながらページを進めると・・・
相談コーナーがある。
まずタイトルで「へっ?」となる。
『どうする?どうなる?老後の4K」(←4Kとは健康・金・孤独・介護のことらしい)
ワタクシの意識として、オレンジページのターゲットって幸せな若い専業主婦だと思っていた。
しかし、それは、ワタクシの時代というか、ワタクシ自身が幸せな若い専業主婦だった頃に読んでいたという記憶から発生したものであって、読者は歳をとる。
「ゼクシー」のような「たまひよ」のような時期限定のものは読者がとっかえひっかえ変動するのだろうが、そうでないものは定着した読者と共に雑誌も歳を取っていくという事なのか。
だからワタクシが若い頃に創刊された「オレンジページ」は、今、定年を迎えるような世代に寄り添うというわけか。
そして今号の(と言っても去年の8月号)ご相談が・・・
「老後、夫と二人で暮らしたくない。まして夫を介護するなんて考えられません。」という50歳主婦。
回答者はお二人。キャスターの長野智子さんと、マーケティングアナリストの原田曜平さんという方。
回答は「ドライな切り替えが必要です」とか、「我慢しなくて良い時代です(←離婚)」的な、結局最後は自分で決めるのよねという当たり前で当たり障りのないものだ。
しかしワタクシは、そんなことより何よりオレンジページにこういうコーナーがあるという衝撃にやられている。
幸せの象徴、家事初心者の新婚妻に、簡単で美味しい料理を指南するという雑誌ではなかったのか。
たまに愚痴めいた投書はあったとしても微笑ましいという程度だったのではなかったか。
なんだかなあという気持ちでめくった次のページは、角田光代さんの短編小説だ。
上下2回で完結するタイプの、今回は1回目みたいなので読んでみる。
へっ!?
娘が大学に進学して家を出たのをきっかけに離婚した女性の話だ。
離婚に至る経緯の後、仕事帰りに買ったお惣菜をご飯にのっけた「のっけ丼」をささっと食べて
「ひとみは借りてきたDVDをセットして、わくわくと再生ボタンをおす。」で、次回の(下)へ続くようだ。

改めてタイトル見ると「あたらしい家族(上)」
う〜む・・・
(下)で新しい出会いがあるのか?
はたまた猫でも飼うのか?
意表を突いて元サヤに収まるのか?
いや、全くもって気にはならないが、ただただ「オレンジページ」の立ち位置の変化に驚く。
まあ、偉そうなことは言えない。
現に、「オレンジページ」を買って、熱心に読んで、スクラップして、たっぷり時間をかけて作るわりには「???」って代物を作って、でも美味しい美味しいと食べる夫がいて、幸せだった新婚妻nは、あっという間に奈落の底に突き落とされ、優雅にお料理作る余裕すらなくなった。
あれから30年。
今の若い人達は、料理雑誌を買ってそれを見ながら作るということはしないようだ。
検索してレシピを見るどころか、動画で工程をみるというのが主流らしい。
それをふまえると、「オレンジページ」も若い人をターゲットに据えるより、古い人に寄り添うのが正しいあり方な気はする。
そう。正しい。
でも、私の中で幸せな象徴だったものの「転向」は少し寂しい。

今日の一枚は・・・
あの頃、生焼けの焼きなすを作っていた女が、いまや梅干しにまで手を出しています。歳はとるものです。
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2 コメント

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こんにちは! (fuji3386)
2022-07-24 11:56:56
「オレンジページ」そういえば最近読んでないです。記事の内容の変革も驚きですが、写真の梅仕事用の装置?ですか。なんかすごい便利そうな物で梅を干しておりますが・・・
そして一番の驚きは、やっぱりnさんの文章力。読ませますね~。
あー楽しかった!
ことり
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ことりさんへ (n)
2022-07-24 22:24:51
いやいや、大した装備では無いのです。
母に借りてる大きなザルやら小さなザルを、布団干しの上に載せております。←不安定・・・
そして手前のはダイソーで買った干し野菜ネットです。
梅仕事用には小さいけど、ちょっと余った野菜を干すくらいには重宝します。
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