12月23日(木)晴れ
ワタクシ、ものすごく偏った「読書好き」だ。
ワタクシの周りを見回すと、ものすごく本読む人と、全く読まない人とに分かれていて、そんな中で自分はその真ん中に位置すると思っている。
小学生の頃が一番読んでいたと思う。まあまあジャンルを問わず。
幼い頃に足の手術をした兄をおとなしく家に居させるために父親が「世界名作全集」を取っていて、毎月届くのが楽しみだった。
今だったら絶対手にしないだろう「十五少年漂流記」とかも読んだ記憶。
小学校の図書館にも毎日のように行って貸し出しカードを一杯にしては司書の先生から褒められていた。
しまいには読みたい本がなくなって佐藤紅緑著「あゝ玉杯に花うけて」なんてのまで読んでた。
なぜに突然そんな思い出話をするかと言いますと・・・
ひと月ほど前だったか、ワタクシがこっそりと読みにいってるブロガーさんが、
鈴木るりか著「さよなら、田中さん」からの3部作の話をされてて、気になって読んでみた。
ワタクシ、音楽もそうだが、文学も、自分より年下が作るものには興味がないなんて言ってるが、この歳になると年下の方が多くなってきつつあり、最近は食わず嫌いが薄れている。
いや、薄れている、なんてエラそーに言ってる場合ではなく、あまたの年下達にがつんがつんやられている。
この鈴木るりかさんのことは、話題になったので知らなかったわけではないが、なんせ年下、ヒジョーに年下なのでスルーしてた。
で、今回読み始めて、驚いた。
すごい。
何というか、文章を書く力、文才が素晴らしいのはもちろんだが、ユーモアのセンスから文章の組み立てから何から何まで素晴らしくて、
読み始めの頃は上から目線で「まあ!小学生なのによくこんな難しい言葉を知ってたわねえ」なんて思ってたが、
あっという間に彼女の世界に取り込まれて、思わず吹き出し、切なくされ、泣かされた。
「さよなら、田中さん」を読み終わるとすぐに「太陽はひとりぼっち」「私を月へ連れてって」まで一気に読んだ。
彼女は、書き方もうまいんだよなあ〜突然一人称が変わったかと思うと、だいぶ話が進んでから「はっ!この少年はっっっ!」と気づかされて、もうただただ感服する。
この話を熱く語ると、「すごい人ってのは子供の頃から違うのね」という話に落ち着きそうで、う〜ん、ちょっと違うと思ってしまう。
いや、確かに鈴木るりかさんは並外れた文才を小学生からお持ちだった。
と同時にワタクシが思うのは、自分の小学生の頃を思い返すと、文才こそ無いものの、今と同じくらいの思考をしていたよなあということ。
「小学生」っていうと、子どもだから何もわからない、これから色々学んで覚えて成長すると思いがちだけど、
いやいや、小学生ってもう十分に色々わかっていたよなあと思い出させてくれた。
だから、小学生の頃に辛い思いをした話なんて聞くと切なくなる。
もう、十分に傷つくことを知っているし、大人の言葉も表情も理解できていた。
そんなことを思い出しながら、夫に「読んで!これ絶対いいから読んで!小学生の頃、自分も色々考えてたなあってことを思い出すから!」とオススメしたら夫「オレ、小学生の頃って、なんにも考えてなかったけどなあ」
本の話ついでに、今読んでいるのが、これまた若い作家
岸田奈美著「もうあかんわ日記」
これまた素晴らしいのでオススメ。
で、この後に控えているのが
ブレイディみかこ著「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2」
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、ワタクシの2019年のベストワンだった。
だから、2もすごく楽しみ。
ああ、早く引越しを終わらせて、ガーデンテーブルでコーヒー飲みながらこの本たちをガンガン読んでいきたいわあ。
明日は午前中引越しの荷物運びで午後から音訳ボランティア講座、夜は従姉kemiちゃんも一緒にクリスマスパーティなのだ。
また追い追い感想文書きます。