peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

カシワ(槲/柏)

2008年11月17日 | Weblog
画像は、大師山の頂上に生えていたカシワ(槲/柏)の実(堅果)。
岩場のせいか、小さいままの木に大きな実を1つだけつけていました。
紫波郡紫波町「勝源院」のサカサカシワ(逆さ柏/槲)
 2008年11月12日








2008年11月11日(火)、岩手県紫波郡紫波町日詰字朝日田273の勝源院に
国の天然記念物に指定されているカシワ(柏/槲)があるというので、行っ
てきました。
カシワは本来幹が直立し、高さ20m以上になる落葉広葉樹であるが、この
勝源院の裏庭にあるカシワは直立せず、地際(ぎわ)で4本の支幹に分かれ、
それぞれ地面を這うように伸びてから立ち上がっています。(幹の太さ4m、
地上1mのところで4本に分かれ、曲りくねっている珍木。
(別名:みだれカシワ)

この姿は、あたかも枝が根のように見えることから「サカサカシワ(逆さ
柏/槲)」と名付けられて、古くから親しまれてきたそうです。このような
変わった樹形をもつカシワの巨樹は珍しく貴重であることから、カシワとし
ては最も早く国の指定(昭和4年12月17日)を受けているそうです。推定樹
齢は約300年。
前九年の役に勝利した源頼義・義家父子が、戦死者の霊を弔い、その墓標と
して植えたという伝説が残っているそうです。






カシワ(槲/柏)ブナ科 コナラ属
 Quercus dentata
山野に生える落葉高木。乾燥に強く、海岸近くや火山の礫地など
のも見られると言う。高さはふつう10~15mになる。樹皮は黒褐色
で厚くて、縦に裂け目がある。

葉は枝先に集まって互生し、長さ10~30cmの大形の倒卵形または
広倒卵形で、縁に波状の鋸歯がある。
「カシワ」は、「炊ぐ葉」からきたもので、昔は食物を包んで調理
したり、盛ったりする大きな葉はすべてカシワと呼んでいたという。
5月の節句の柏餅を包むのに使うのはこのカシワの葉である。
秋になると葉は黄葉するが、完全に落ちないで翌年まで残る。

花期は5~6月。雌雄同株。雄花序は長さ10~15㎝ほどの穂になっ
て垂れ下がり、雌花は本年枝の葉腋につき、あまり目立たない。

秋には長さ1.5~2cmの卵球形のドングリ(堅果)ができる。カシ
ワやクヌギ、アベマキのドングリは下半部が椀状の殻斗に包まれ、
殻斗は細長い鱗片に覆われているが、晩秋には熟して落ちる。

 分布:北海道、本州、四国、九州、アジア東北部、中央アジア。 

ワレモコウ(割木瓜)/吾亦紅/吾木香)

2008年11月17日 | Weblog
一関市街地のワレモコウ(割木瓜/吾亦紅/吾木香)
 2008年11月11日




2008年11月11日(火)、一関市竹山町の一関市役所の近くにある農家
と思われる民家の庭でワレモコウ(吾亦紅)が、暗紅色の小さな花
が多数集まった穂を沢山つけていました。
秋の野山でごく普通に見られた植物だったのに、最近はほとんどお目
にかかれなくなってしまいました。替わりに花屋の店先でよく見かけま
す。






ワレモコウ(割木瓜/吾亦紅/吾木香)バラ科 ワレモコウ属
Sangnisorba pfficinalis
山野の日当たりのよい草地に生える多年草。高さは50~120㎝ほどに
なる。茎の中部から上で枝分かれし、葉は下部につくか、根から伸び
茎につく葉は互生する。奇数羽状複葉。小葉は2~6対(5~13枚セット
)あり、長さ4~6㎝の長楕円形。先は丸く、縁には小形の揃った三角
形の鋸歯がある。

花期は8~10月。枝先にチョコレート色(暗紅色)の小さな花が多数
集まった楕円球状の穂をつける。花穂は長さ1~2㎝で、花は先端から
下部に向かって咲き進む。1つの花には花弁はなく、花弁のように見え
萼片が4枚つく。
  分布:北海道、本州、四国、九州。

名前の由来:名前の由来は難解で多説ある。一般的には「吾亦紅/吾木香」
が使われているが、図鑑によっては「我木香」や「割木瓜」が使われて
いる。
それらの内、前川文夫「植物の名前の話」の由来説に説得力がある。
宮殿や神社の御簾(みす)の上部の外側に横へ幕のように張った布を
「帽額(もこう)」という。帽額には瓜(うり)を輪切りにした図[
窠紋(かもん)]が入っていた。この図は、瓜に似たために「木瓜(も
こう)」ともいった。この図は、ワレモコウの花に似ている。この蕾
をよく見ると、十字形に割れている。それで割木瓜

仲間には、ナガボノシロワレモコウ(長穂の白吾木香)S.tenuifolia
var.alba、カライトソウ(唐糸草)S.hakusanensis、シロバナトウウ
チソウなどがある。