(下)芭蕉と木因の像。:9月6日(陽暦10月20日)、芭蕉は懐かしい人々と別れて、大垣から舟で二見へ出立した。見送る人々の中には、芭蕉と年齢も僅か2つ違いで、若き日、京都の北村季吟門の相弟子以来、親しく交遊を重ね、俳諧・連歌の道はもちろん、世相の問題や思想、哲学にまで及んで、人間的な心奥にまで触れる深い交わりをしていたであろう舟問屋の主・谷木因がいた。[大垣市文化財保護協会発行「西美濃の芭蕉句碑めぐり」より]
この2人の像は、大垣市船町2丁目 史跡・船町港跡の「蛤塚」のすぐ傍にあります。
(上)蛤塚 所在地 大垣市船町2丁目 史跡・船町港跡(碑石・高さ90㎝)
(表面) い勢にまかりけるを ひとの送りければ
蛤のふたみに別 行秋そ はせを
(裏面)元禄二年九月六日芭蕉がこゝで奥の細道の旅をおわり伊勢に向った別れの句で、旧主藤堂家秘蔵の遺墨から複写し、蛤塚として建立した。昭和三十二年九月六日 大垣市文化財審議会
(上)惜ひひげ剃たる窓に夏木立 白桜下木因
(下)奥の細道むすびの地記念館:(岐阜県大垣市船町2丁目26番地1)
http://www.city.ogaki.lg.jp/ [大垣市ホームページ]
ヒトツバタゴ(一つ葉たご) モクセイ科 ヒトツバタゴ属 Chionanthus retusus
別名:ナンジャモンジャ。日本では愛知県、岐阜県、対馬に自生する珍しい落葉高木。高さは20~30mになり、樹皮は灰褐色。葉は対生し、長い楕円形で長さ4~10㎝。花は5月頃、新しい枝の先に多数つき、白色で長さが約2㎝、花冠が4つに深く裂け、線形の花弁に見える。雌雄別株。この木が明治神宮の外苑にあり、以前は名前がわからず「ナンジャモンジャ」と呼んでいたのが、そのまま別名になった。「タゴ」はトネリコの方言「タゴノキ」からで、複葉のトネリコに対して単葉なので「ヒトツバタゴ(一つ葉たご)」という。[講談社発行「野の花・街の花(長岡 求:監修)」より]