紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

迷いの時

2005-10-21 13:15:23 | 15・心に残ること
後にも先にも、私の人生で、あんなに迷ったことはない。
教師生活二年目で、教師をやめようと思った時のことだ。

驚かれたり、あきれられたり、反応はいろいろだったけど、やめた方がいいなんていった人は一人もいなかった。
安定した職業だし、男女の格差もないし、充実感の得られる仕事だったし、女性が働く場としての条件は整っていたし。

その後、やめてから最初の本が出るまでに、10年の年月がかかった。
それは、小学校を卒業し、中学校を卒業しても、まだおつりがくるほどの時間だ。
当然のことながら、平坦な道のりではなかった。
が、あれだけ迷って、やめる決心をしたのだから、後悔はしなかった。
けれど、もし…と考えることはよくあった。
もし、今も先生をしていたら……と。

トップの写真は、終わりの日が近くなった頃の、大泉学園小学校の屋上で写したものだ。誰がシャッターを押してくれたのか、まったく覚えがない。
T・M君がボールを持っているところを見ると、ドッジボールをして遊んだ後に撮ったのだろう。
毎日毎日が楽しくてしかたがない頃だった。