紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

「きっとどこかの空の下で」ができるまで

2006-05-10 09:00:17 | 2・仕事の周辺
5月11日に新刊が出る。
私にしてはめずらしい題名である。最初はちがう題がついていたのだけど、最後の最後にこの題に変えた。

この本を書いたのは、だいぶ前のことになる。
舞台になるイギリス・コッツウォルズ地方を旅したのが、2000年の4月。
その当時、私は父の介護と、眼の病気を患っていた夫の入院が重なったりで、2月に旅行を予定していたのをキャンセル。
一度は行くのをあきらめた。
が、またどうしても行きたいと、綱渡りのようにして、4月に渡英した。10日間ほどの旅だった。

その後、構想だけはぼんやりと頭の中にあったが、書く時間もあまりなく、一向に形にはならなかった。

それを、書こうと思ったきっかけは、産経新聞社から原稿用紙4枚くらいの、短いファンタジーを書きませんかという依頼があったからだ。2002年の春頃だったと思う。
そこに、この本の前身の話し「不思議なおじさん」を書いた。その時の話しは、「ファンタジーの宝石箱「夜の翼」」という題で、 全日出版(2004)から刊行されている。

わずか4枚ほどの物語を書いてみると、それをちゃんとした形の物語にしたくなった。そうして、ぽつぽつと書き始め、小峰書店の編集の平柳葉子さんに見てもらったのが、2003年の夏。
私の初めてのファンタジー小説がどう評価されるか、ドキドキだったが、すぐに「本にしましょう!」といってもらえて、ホッとした。

いろいろな人にお世話になって、書けた本だけれど、一番お礼を言わなくちゃならないのは、いつかこのBlogにも書いたK・真理ちゃん。
「私とチャコが出てくる本を書いてね。」
その約束を破らないために、書けた本かもしれない。

2 コメント

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!! (滋賀のM子)
2006-05-11 20:19:00
ブログに書き込むのは久し振りです。

私の家は産経新聞を購読しているので、実は

三輪さんのショートストーリーを紙面で読みました!

そうでした!

確か、いろんな作家さんが日替わりで(週替わり?)でお話を載せていたような。

あの時私は三輪さんと久しぶりに再会してました。(ちょっと違うか…)

今頃思い出したように、すみませんでした。

新刊楽しみにしています。

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M子さんへ (紅蓮)
2006-05-12 07:27:37
そうかあ。あの短い、この物語の種を読んでくれていたのね。

短いのを書くのが苦手で、あれはうまく書けてないのだけど、かえってこれを書きたいという気持ちが残ったような気がします。

M子さんに読んでもらえたら、嬉しいです。
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