経済なんでも研究会

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ドミノ倒しの 恐怖 / EU

2016-12-06 08:21:30 | 日記
◇ イタリアも国民投票が倒閣 = 国民投票がまたしても政権を覆した。イタリアでは4日の国民投票で、レンツィ首相が提案した憲法改正案を否決した。このためレンツィ首相は、直ちに辞意を表明。イタリアの政局は、再び混迷の闇に包まれることになった。イギリスのEU離脱、アメリカの大統領選挙に続いて、イタリアでも国民投票が既存の政治体制を打ち破った。イタリア経済への打撃も大きいが、EU崩壊の危機も現実味を増したと言える。

過去の経験からすると、レンツィ首相はいったん辞任。直ちにマッタレッラ大統領がレンツィ氏に対して、暫定内閣の組閣を命令。暫定内閣は総選挙の日程を決める公算が大きい。その場合、暫定内閣は野党との連立になる可能性が高い。また総選挙でも、野党の勢力が伸長すると予想される。ところが、その野党は最大の「五つ星運動」をはじめ、ほとんどが反EU・反ユーロを標榜している。

当面、心配されるのはイタリア経済の混乱だ。特に政情不安定を理由に外資がイタリアから引き揚げれば、不良債権を抱え込んでいる大銀行のなかには経営不振に陥るところが出てくるかもしれない。だが暫定内閣は、政治的にほとんど動けない。それがまた景気の悪化につながり、国民の不満を増幅させる。その結果、総選挙で野党が勝利すれば、イギリスに続いてイタリアもEUを離脱する危険性がきわめて高くなる。

それだけではない。来年5月にはフランスで大統領選挙、秋にはドイツで総選挙が予定されている。仮にフランスでも反EU派が政権を奪取すれば、EUは確実に崩壊するだろう。考えてみれば、イギリスでもアメリカでも、そして今回のイタリアでも、既成権力に対する国民の反発は、移民問題から始まった。フランスでもドイツでも、いま移民が大問題になっている。EU当局が“ドミノ倒し”を警戒するのは、きわめて当然な状況になってきた。

      ≪5日の日経平均 = 下げ -151.09円≫

      ≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ


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