経済なんでも研究会

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「労働生産性」 の 不思議

2016-12-22 07:56:20 | 景気
◇ 高ければいいのか? = 日本生産性本部の調査によると、就業1時間あたりでみた15年の労働生産性は42.1ドル。OECD(経済協力開発機構)加盟35か国のうち20位だった。労働生産性というのは、労働者が一定の時間働いた結果どのくらいのモノやサービスを生み出したかを示す指標。かつて日本の生産性は世界でもトップ・クラスだったが、1980年ごろからは低位でずっと伸び悩んでいる。

たとえば10-12年のデータをもとに日米の生産性を比較してみると、アメリカを100としたときの日本のサービス業は49.9。ほぼ半分の水準にとどまっている。業種別では飲食・宿泊業が34.0、卸・小売業が38.4とかなり低い。また製造業の生産性は69.7。やはりアメリカの7割程度しかない。アメリカを上回ったのは機械と化学だけだった。

一般に生産性が低いと、成長率も鈍くなると考えられている。たしかに同じ価値のある製品やサービスを生み出すのに、必要な時間が短ければそれに越したことはない。だが大きな疑問も生じてくる。たとえば製造業の場合、同じ価値のある製品でも競争が激しければ売り値は上がらない。すると生産性は下がってしまう。反対にインフレで価格が上がれば、生産性は上がる。

サービス業では、もっと微妙な問題に行き当たる。たとえば、いま流行の“おもてなし”。ゆっくり時間をかけて客と対応すれば、生産性は下がってしまうだろう。その分を料金に反映させられればいいが、消費者側としては安い方がありがたい。この世界と生産性の向上とは、必ずしも折り合わないのではないか。経済学者の見解を聞きたいものである。

      ≪21日の日経平均 = 下げ -50.04円≫

      ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ


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