◇ 今月の利上げは決意の表れ = アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)は、3月14-15日に開くFOMC(公開市場委員会)で政策金利の引き上げを決定するようだ。イエレン議長は3日の講演で「今月の会合で雇用と物価が想定通りに改善していると確認できれば、金利の調整が適切になる」と、きわめて具体的に言及。相前後してフィッシャー副議長はじめ理事の数人も、利上げの可能性が高いことを示唆している。
FRBは一昨年12月と昨年12月の2回にわたって、政策金利を引き上げた。今回引き上げればは3回目。金利が上がれば、景気には抑制効果が働く。3-4%の経済成長を目指すトランプ大統領にとっては、どうも気に入らないようだ。大統領に就任してからは沈黙しているが、選挙戦のなかではFRBを批判。来年2月に任期を迎える「イエレン議長の再任はしない」と明言していた。
法制上、アメリカでも中央銀行の独立性は守られている。だがFRBの議長を含む理事の任命権は、大統領が握っている。政策の決定機関であるFOMCの定員は12人。そのうちの7人をFRBの理事が占める。ところが4月になると、理事の欠員が3人になり、トランプ大統領が新しい3人の理事を任命する。その3人が利上げ反対論者になる可能性はきわめて高い。
こうした状況から、市場はつい最近までFRBは軽々に動けないと予想していた。それが先週になって、急激に利上げ決断に変化した。FRBの内部では「反対派の理事が送り込まれる前に、利上げを決めてしまおう」という機運が強まったのではないだろうか。その証拠に、これまで利上げに消極的だった理事たちも賛成論に変わっている。要するにトランプ政権に対するFRBの抵抗である。わが日銀には、残念ながらそんな度胸はなさそうだ。
≪6日の日経平均 = 下げ -90.03円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
FRBは一昨年12月と昨年12月の2回にわたって、政策金利を引き上げた。今回引き上げればは3回目。金利が上がれば、景気には抑制効果が働く。3-4%の経済成長を目指すトランプ大統領にとっては、どうも気に入らないようだ。大統領に就任してからは沈黙しているが、選挙戦のなかではFRBを批判。来年2月に任期を迎える「イエレン議長の再任はしない」と明言していた。
法制上、アメリカでも中央銀行の独立性は守られている。だがFRBの議長を含む理事の任命権は、大統領が握っている。政策の決定機関であるFOMCの定員は12人。そのうちの7人をFRBの理事が占める。ところが4月になると、理事の欠員が3人になり、トランプ大統領が新しい3人の理事を任命する。その3人が利上げ反対論者になる可能性はきわめて高い。
こうした状況から、市場はつい最近までFRBは軽々に動けないと予想していた。それが先週になって、急激に利上げ決断に変化した。FRBの内部では「反対派の理事が送り込まれる前に、利上げを決めてしまおう」という機運が強まったのではないだろうか。その証拠に、これまで利上げに消極的だった理事たちも賛成論に変わっている。要するにトランプ政権に対するFRBの抵抗である。わが日銀には、残念ながらそんな度胸はなさそうだ。
≪6日の日経平均 = 下げ -90.03円≫
≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫