経済なんでも研究会

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“異次元緩和”政策の 副作用 (下)

2017-08-02 07:09:18 | 金融
◇ 止める決断も選択肢に = 日銀が保有する国債などの買い入れ資産は、ついに500兆円を超えた。アメリカのFRBが保有する資産は4兆5000億ドル。1ドル=110円で換算すれば、ほぼ同じ大きさである。しかしアメリカのGDPは日本の3倍半以上。したがって経済規模を勘案すれば、日本はアメリカの3倍半以上の資産を購入したことになる。

こんなに巨額の資産を購入したのは、日銀が「おカネを放出すればするほど、景気はよくなる」と考えたからだ。しかし実際は、そうならなかった。金融機関には大量の現金が注入されたが、企業や個人は金融機関からの借り入れを増やさなかったからである。困った金融機関は不動産融資に活路を見出し、いま不動産バブルが心配され始めた。

こんな状況だが、日銀は“異次元緩和”を止めることができない。金利を上げれば、円相場が上昇してしまう。量的緩和を縮小すれば、長期金利が上がってしまう。いずれも景気にとっては、確実なマイナス要因になるだろう。だから日銀は超金融緩和を維持せざるをえないが、そうしているうちにも副作用は累積的に強まって行く。

アメリカはすでに一昨年末から、金融政策を引き締めに転じた。ヨーロッパ諸国も、間もなく引き締めに転換する姿勢をみせている。そうしたなかで、日本だけは超緩和政策の麻薬から逃れられない。緩和政策の停止も選択肢の1つだと思うが、政府も日銀もそんな検討は全くしていない。

      ≪1日の日経平均 = 上げ +60.61円≫ 

      ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ


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