◇ 外国企業の脱出も始まる = イギリスが国民投票でEU離脱を決めてから1年2か月。その悪影響が明白に現われてきた。この1年2か月の間に英ポンドの為替レートは1割以上も下落、このため物価が上昇して消費が抑制されている。たとえば5-7月の消費者物価は前年比2.6-2.9%と、4年ぶりの上昇率に。7月の小売り売上高は前月比0.9%増まで鈍化している。製造業の生産高は、このところ全く増えていない。
4-6月期のGDP成長率は0.3%に落ち込んでいる。昨年同期のちょうど半分に減速した。物価上昇率が賃金の上昇率を上回りつつあるから、国民の不満も高まり始めた。そうしたなかで特に注目されるのは、これまで上げ基調だったロンドンの不動産価格が上げ止まったこと。これは外国企業がロンドンから撤退し始めた影響だとみられている。
英大手会計事務所が7月に行った調査によると、イギリスで業務する大手金融機関のうちアイルランドのダブリンに本拠を移したところが19、フランクフルトが18、ルクセンブルクが11となっている。日本の金融機関も、三菱UFJ証券がアムステルダム。野村ホールディングス、三井住友銀行、みずほ証券などは、フランクフルトに業務の中核を移す方針だ。
その一方で、7月17日から始まったイギリスとEUの本格的な離脱交渉は難航している。今後の交渉を離脱の条件と離脱後の関係に分けて行うことでは一致したが、イギリスがEU分担金600億ユーロを支払うかどうかで大揉め。なかなか本題には入れそうにない。この交渉に進展がみられないと、それだけポンド相場の下落や外国企業の脱出に拍車がかかる可能性がある。
(続きは明日)
≪16日の日経平均 = 下げ -24.03円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
4-6月期のGDP成長率は0.3%に落ち込んでいる。昨年同期のちょうど半分に減速した。物価上昇率が賃金の上昇率を上回りつつあるから、国民の不満も高まり始めた。そうしたなかで特に注目されるのは、これまで上げ基調だったロンドンの不動産価格が上げ止まったこと。これは外国企業がロンドンから撤退し始めた影響だとみられている。
英大手会計事務所が7月に行った調査によると、イギリスで業務する大手金融機関のうちアイルランドのダブリンに本拠を移したところが19、フランクフルトが18、ルクセンブルクが11となっている。日本の金融機関も、三菱UFJ証券がアムステルダム。野村ホールディングス、三井住友銀行、みずほ証券などは、フランクフルトに業務の中核を移す方針だ。
その一方で、7月17日から始まったイギリスとEUの本格的な離脱交渉は難航している。今後の交渉を離脱の条件と離脱後の関係に分けて行うことでは一致したが、イギリスがEU分担金600億ユーロを支払うかどうかで大揉め。なかなか本題には入れそうにない。この交渉に進展がみられないと、それだけポンド相場の下落や外国企業の脱出に拍車がかかる可能性がある。
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≪16日の日経平均 = 下げ -24.03円≫
≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫