◇ これからは物価との競争に = 厚生労働省が発表した昨年11月の毎月勤労統計によると、実質賃金が前年比0.1%の増加となった。わずかな増加ではあるが、実質賃金が増加したのは一昨年12月以来11か月ぶりのこと。実質賃金とは、手取りの賃金である名目賃金から物価の上昇分を差し引いた金額。つまり、これまでは賃金をもらっても実際に購入できるモノやサービスは目減りしていたのが、久しぶりにわずかながら増えたことになる。
賃金の内訳をみると、所定内給与は24万1303円で前年より0.4%増加した。また残業料に当たる所定外給与は2万0467円で2.6%の増加。賞与など特別に支払われる給与は1万6403円で7.5%の増加だった。その結果、現金給与総額は27万8173円で前年より0.9%増えている。ここから物価の上昇分を差し引いた実質賃金が、かろうじてプラスとなったわけだ。
現金給与総額は昨年8月から連続して増加しており、過去最高に達した企業利益がようやく賃金にも反映されてきたようにも感じられる。問題は今後も実質賃金の増加が続くかどうかだ。企業利益は最高水準を持続しているから、名目賃金は今後も増加することが期待できる。だが物価の上昇が大きくなれば、実質賃金の増加は止まってしまう。
昨年12月の物価はまだ発表されていないが、おそらく前年比1.0%程度の上昇になったと予想される。だとすると、名目賃金が1.0%を超えて増加しないと実質賃金は増加しない。そんなとき、日銀は相変わらず物価の2%上昇を金融政策の目標に掲げている。したがって日銀の政策目標が達成されると、実質賃金の増加は困難になるだろう。日銀はサラリーマン家庭の生活向上を、なぜ阻害しようと考えるのか。不思議なことである。
≪11日の日経平均 = 下げ -77.77円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
賃金の内訳をみると、所定内給与は24万1303円で前年より0.4%増加した。また残業料に当たる所定外給与は2万0467円で2.6%の増加。賞与など特別に支払われる給与は1万6403円で7.5%の増加だった。その結果、現金給与総額は27万8173円で前年より0.9%増えている。ここから物価の上昇分を差し引いた実質賃金が、かろうじてプラスとなったわけだ。
現金給与総額は昨年8月から連続して増加しており、過去最高に達した企業利益がようやく賃金にも反映されてきたようにも感じられる。問題は今後も実質賃金の増加が続くかどうかだ。企業利益は最高水準を持続しているから、名目賃金は今後も増加することが期待できる。だが物価の上昇が大きくなれば、実質賃金の増加は止まってしまう。
昨年12月の物価はまだ発表されていないが、おそらく前年比1.0%程度の上昇になったと予想される。だとすると、名目賃金が1.0%を超えて増加しないと実質賃金は増加しない。そんなとき、日銀は相変わらず物価の2%上昇を金融政策の目標に掲げている。したがって日銀の政策目標が達成されると、実質賃金の増加は困難になるだろう。日銀はサラリーマン家庭の生活向上を、なぜ阻害しようと考えるのか。不思議なことである。
≪11日の日経平均 = 下げ -77.77円≫
≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫