◇ 残業はイヤなのか、人件費削減か = 厚生労働省は8日、8月の毎月勤労統計を発表した。それによると、労働者1人当たりの名目賃金は平均27万6296円で前年を0.2%下回った。このうち一般労働者の給与総額は35万7112円で0.2%増加した。一方、パートタイム労働者の給与総額は9万9111円で0.1%減少している。この結果、物価の上昇分を差し引いた実質賃金は0.6%の減少。相変わらず実質賃金は伸び悩んだ。
一般労働者の給与が増加したにもかかわらず、全体の平均給与総額が減少したのは、パート労働者の所定外給与つまり残業代が4.6%も減少したことが主な原因。パート労働者の月間総労働時間は83.1時間で、前年より3.1%減少した。長時間働くのはイヤだというパート希望者が増えているのかもしれない。
最低賃金の引き上げに伴って、パート労働者の時給は大幅に上昇した。8月の場合、時給は1177円で前年比3.4%の増加となっている。またパート労働者の人数も増加を続け、労働者全体に占める割合は31.39%にまで上昇した。経営者としては、パートの人数を増やす一方で残業を減らし、人件費の膨張を抑えようとしているのかもしれない。
いちばん警戒しなければならないのは、景気の悪化を理由とした人件費の削減だろう。このケースでは、まずパートの残業が抑えられる。次いで一般労働者の残業、さらにパートの人員削減へと進む。現段階ではそうした動きは感知できないが、これから年末にかけての雇用情勢には注意が必要だ。
≪8日の日経平均 = 上げ +212.53円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
一般労働者の給与が増加したにもかかわらず、全体の平均給与総額が減少したのは、パート労働者の所定外給与つまり残業代が4.6%も減少したことが主な原因。パート労働者の月間総労働時間は83.1時間で、前年より3.1%減少した。長時間働くのはイヤだというパート希望者が増えているのかもしれない。
最低賃金の引き上げに伴って、パート労働者の時給は大幅に上昇した。8月の場合、時給は1177円で前年比3.4%の増加となっている。またパート労働者の人数も増加を続け、労働者全体に占める割合は31.39%にまで上昇した。経営者としては、パートの人数を増やす一方で残業を減らし、人件費の膨張を抑えようとしているのかもしれない。
いちばん警戒しなければならないのは、景気の悪化を理由とした人件費の削減だろう。このケースでは、まずパートの残業が抑えられる。次いで一般労働者の残業、さらにパートの人員削減へと進む。現段階ではそうした動きは感知できないが、これから年末にかけての雇用情勢には注意が必要だ。
≪8日の日経平均 = 上げ +212.53円≫
≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ≫