経済なんでも研究会

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化け物になった 日本銀行 

2020-12-17 08:05:24 | 日銀
◇ 上場2100社の大株主に = 日銀の発表によると、12月10日時点のETF(上場投資信託)保有額は35兆2174億円に達した。この数字は買い入れ価格の合計だから、時価にすると45兆円を上回る。東証1部の時価総額の6%を超える膨大な金額だ。これまで最大の株式保有者はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)で、その保有額はおよそ44兆円。これを抜いて、日銀が日本最大の株式保有者になったと思われる。

日銀がETFを買い始めたのは13年4月。そのときは年間1兆円の購入枠を設定した。しだいに購入枠を拡大、ことし3月にはコロナ不況に対応するため12兆円まで広げている。実際にことしは10月半ばまでに6兆円以上のETFを購入した。この結果、日銀は上場企業の100社以上で筆頭株主に。また2100社で上位10位以内の大株主となっている。

市場にとっては、正に巨大な化け物の出現だ。そして、この化け物はいろいろな問題を惹き起こしている。たとえば6月末時点でみると、アドバンテストでは24.4%、ファストリでは20.3%、TDKでは19.8%の大株主に。だが、この大株主は保有株を売ることがないうえ、文句も言わない。経営者にとっては、こんな好ましい株主はないだろう。

しかし需給で決まる市場の株価が、大きく歪められることは確かだ。またETFのなかには経営不振の企業も含まれるが、その株価は下がりにくくなる。外国人投資家のなかには、こうした日銀の突出を嫌って、投資を手控える傾向さえあるという。さらに日銀は最終的に、保有株をどのようにして売り戻すのか。世界のなかでも日銀だけがやっている、中央銀行による株式の買い入れ。副作用の大きさを考えると、そろそろ限界ではないだろうか。

       ≪16日の日経平均 = 上げ +69.56円≫

       ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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