◇ 金融引き締めへの地盤固め = G20(主要20か国)は先週、ワシントンで財務相・中央銀行総裁会議を開いた。ここでは「法人税の税率を最低15%にする」「多国籍企業の課税逃れを防ぐため国際課税の新ルールを作る」ことで合意した。そして終了後に発表された共同声明には、なんとも不可解な一項目が挿入されている。それは「中央銀行は一時的なインフレ圧力を見通し、物価安定へ必要に応じて行動する」という一文。
アメリカでは、いま物価の上昇が大問題になりつつある。たとえば9月の卸売り物価は前年比8.6%、消費者物価は5.4%も上昇した。しかしFRBは「この物価上昇は”一時的な”現象」という判断を取り続けている。このことを踏まえて考えると、G20の声明は「たとえ一時的な物価上昇であっても、金融は引き締めるよ」という意思表示のように受け取れる。
物価上昇の原因はいろいろ。コロナの鎮静化で景気が回復、需要が一気に拡大した。しかし供給が追い付かないことに基本的な原因がある。そこへ原油価格の高騰、人件費の上昇が加わった。こうした原因は世界共通だから、各国とも物価上昇に悩み始めている。たとえばユーロ圏でも、消費者物価が9月は3.4%上昇。13年ぶりの物価高となった。中国も9月の卸売り物価は過去最大の10.7%上昇を記録している。
FRBは11月に量的緩和の縮小を始め、来年半ばには金利の引き上げに進むだろう。ECB(ヨーロッパ中央銀行)も、近く緩和政策の見直しに踏み切る公算が大きい。そうしたなかで、日本の物価だけが上がらない。悪質な円安だけが進行するだろう。日本銀行はどう対応するのか。岸田新政権の経済政策に、こうした展望は全く含まれていない。
≪19日の日経平均 = 上げ +190.06円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
アメリカでは、いま物価の上昇が大問題になりつつある。たとえば9月の卸売り物価は前年比8.6%、消費者物価は5.4%も上昇した。しかしFRBは「この物価上昇は”一時的な”現象」という判断を取り続けている。このことを踏まえて考えると、G20の声明は「たとえ一時的な物価上昇であっても、金融は引き締めるよ」という意思表示のように受け取れる。
物価上昇の原因はいろいろ。コロナの鎮静化で景気が回復、需要が一気に拡大した。しかし供給が追い付かないことに基本的な原因がある。そこへ原油価格の高騰、人件費の上昇が加わった。こうした原因は世界共通だから、各国とも物価上昇に悩み始めている。たとえばユーロ圏でも、消費者物価が9月は3.4%上昇。13年ぶりの物価高となった。中国も9月の卸売り物価は過去最大の10.7%上昇を記録している。
FRBは11月に量的緩和の縮小を始め、来年半ばには金利の引き上げに進むだろう。ECB(ヨーロッパ中央銀行)も、近く緩和政策の見直しに踏み切る公算が大きい。そうしたなかで、日本の物価だけが上がらない。悪質な円安だけが進行するだろう。日本銀行はどう対応するのか。岸田新政権の経済政策に、こうした展望は全く含まれていない。
≪19日の日経平均 = 上げ +190.06円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫