経済なんでも研究会

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エネルギー危機が やって来る! (下)

2021-10-22 08:00:13 | エネルギー
◇ 岸田内閣が直面する最初の大試練 = エネルギー国際価格の急騰は、日本にも影響を及ぼし始めた。ガソリンの店頭価格は1リットル=164円に上昇、年初の2割高となった。東京電力の場合、標準家庭の11月の電気料金は7371円になる見込み。年初に比べると17%も高くなる。それだけ家計のやりくりは苦しくなり、消費が抑制される。企業はコストが増えて、利益が圧迫される。

そのうえ9月以降、円の対ドル相場がじりじりと下落した。このため9月の輸入物価は、前年より31.3%も上昇。企業間で取引されるモノの価格は6.3%上昇、13年ぶりの上昇幅を記録した。しかし景気が良くないから、企業はこの値上がりをなかなか価格転嫁できない。その結果、企業の業績は悪化することになる。当然、景気も悪くなる。

エネルギー価格の高騰が日本経済に及ぼす悪影響は、貿易面から見るとよく判る。財務省が発表した貿易統計をみると、ことし4-9月に輸入した原油やLNG(液化天然ガス)などのエネルギーは7兆8000億円。前年を73%も上回った。その輸入代金は、企業や家計がガソリン代や電気料金として支払った合計である。それだけの購買力が、産油国などに流出したと言ってもいい。

価格の高騰と円安はまだ続いているから、21年度の輸入代金は20兆円に近づくだろう。景気はそれだけ抑制されることになる。再生可能エネルギーや原発の活用でエネルギーの輸入額を4分の1ほど減らせれば、5兆円のカネが国内で使われるわけだ。しかし歴代の政府は、その努力を怠ってきた。いま盛りの選挙運動をみても、与野党は何も主張していない。岸田内閣にとっては最初の試練になると思うのだが、岸田さんにその自覚はまだない。

        ≪21日の日経平均 = 下げ -546.97円≫

        ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫ 

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