◇ 複雑な原因が絡み合う = エネルギーの国際価格が急騰している。原油価格の指標となっているニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は、今週1バレル=83ドルに上昇した。昨年10月は40ドル前後だったので、この1年で2倍に値上がりしたことになる。多くの専門家は「冬場を控えて原油の価格はまだ上がる」と予想しており、なかには100ドルを超えるという見方さえ出てきた。
LNG(液化天然ガス)の高騰ぶりは、もっとモノ凄い。ヨーロッパでの取引価格は10月に入ってから7割も上昇、オランダ市場のTTFは1メガワット時=155ユーロ(約2万円)に高騰した。年初に比べると5倍を超えている。この価格を熱量に換算して原油に当てはめると、1バレル=200ドルの高価格に相当するという。
今回のエネルギー価格急騰は、いくつもの原因が絡み合って起きている。従来の価格高騰は産油国の減産や厳冬による需要の増大など、比較的に解りやすいことが原因となっていた。しかし今回は様相を異にする。まずコロナ規制の解除で各国の景気が回復、エネルギー需要が急増した。ところが産油国側は減産を続け、供給が追い付かない。
そこへ冬場の到来、アメリカでのハリケーン被害とシェール業界の投資不足。ヨーロッパではロシアが天然ガスの供給を絞り、風力不足で風力発電の稼働率が下がった。そのうえに世界的に脱炭素の動きが強まる。中国が石炭不足に陥り、LNGの輸入を急拡大した。このように原因が多岐にわたっているため、正常化には時間がかかる。したがって、エネルギー価格の上昇はまだ続くと予測される。
(続きは明日)
≪20日の日経平均 = 上げ +40.03円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
LNG(液化天然ガス)の高騰ぶりは、もっとモノ凄い。ヨーロッパでの取引価格は10月に入ってから7割も上昇、オランダ市場のTTFは1メガワット時=155ユーロ(約2万円)に高騰した。年初に比べると5倍を超えている。この価格を熱量に換算して原油に当てはめると、1バレル=200ドルの高価格に相当するという。
今回のエネルギー価格急騰は、いくつもの原因が絡み合って起きている。従来の価格高騰は産油国の減産や厳冬による需要の増大など、比較的に解りやすいことが原因となっていた。しかし今回は様相を異にする。まずコロナ規制の解除で各国の景気が回復、エネルギー需要が急増した。ところが産油国側は減産を続け、供給が追い付かない。
そこへ冬場の到来、アメリカでのハリケーン被害とシェール業界の投資不足。ヨーロッパではロシアが天然ガスの供給を絞り、風力不足で風力発電の稼働率が下がった。そのうえに世界的に脱炭素の動きが強まる。中国が石炭不足に陥り、LNGの輸入を急拡大した。このように原因が多岐にわたっているため、正常化には時間がかかる。したがって、エネルギー価格の上昇はまだ続くと予測される。
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≪20日の日経平均 = 上げ +40.03円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫