◇ SWIFT排除でロシア産LNGが止まる = 電力大手5社と都市ガス大手4社は先週、4月の料金引き上げを発表した。たとえば東京電力の場合、標準家庭の月額料金は3月より115円引き上げられて8359円となる。電気料金の引き上げは8か月連続。またガス料金も月額63-88円の値上げとなる。賃金が上がらないなか家計のヤリクリはますます苦しくなり、企業のコストも増大する。
いまから10年前の2012年4月、東京電力の料金は標準家庭で月額6918円だった。この10年間で1441円も上昇したことになる。年間にすると1万7000円以上の出費増加。こうしたエネルギー支出が家計や企業に与えた負担増は、きわめて大きいと言える。値上げの主たる原因は、原油やLNG(液化天然ガス)の輸入価格が上昇したこと。輸入価格の上昇分は、およそ3か月後に料金の値上げに反映される。
ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は、20年4月に一時1バレル=マイナス5ドルに落ち込んだ。在庫が過剰になり、貯蔵タンクが満杯になったためである。そこからは値上がり傾向が続き、ことし1月には83ドルまで上昇した。産油国が生産を絞ったこと、先進国や中国の景気が回復し、需要が増えたこと。アメリカのシェール生産が投資不足で伸び悩んだことも、価格上昇に拍車をかける形となった。
そこへロシア軍のウクライナ侵攻が発生、WTI相場は先週100ドルにまで上昇した。さらにアメリカやEUはロシアに対する制裁として、SWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアの大銀行を排除することになった。SWIFTというのは1973年に発足した組織。世界200を超える国・地域の1万1000にのぼる金融機関が参加。国際的な送金や決済をコンピューターで処理している。ロシアの銀行が排除されればロシアは代金が受け取りにくくなり、原油やLNGの輸出が出来なくなる可能性が大きい。
(続きは明日)
≪1日の日経平均 = 上げ +317.90円≫
≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
いまから10年前の2012年4月、東京電力の料金は標準家庭で月額6918円だった。この10年間で1441円も上昇したことになる。年間にすると1万7000円以上の出費増加。こうしたエネルギー支出が家計や企業に与えた負担増は、きわめて大きいと言える。値上げの主たる原因は、原油やLNG(液化天然ガス)の輸入価格が上昇したこと。輸入価格の上昇分は、およそ3か月後に料金の値上げに反映される。
ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は、20年4月に一時1バレル=マイナス5ドルに落ち込んだ。在庫が過剰になり、貯蔵タンクが満杯になったためである。そこからは値上がり傾向が続き、ことし1月には83ドルまで上昇した。産油国が生産を絞ったこと、先進国や中国の景気が回復し、需要が増えたこと。アメリカのシェール生産が投資不足で伸び悩んだことも、価格上昇に拍車をかける形となった。
そこへロシア軍のウクライナ侵攻が発生、WTI相場は先週100ドルにまで上昇した。さらにアメリカやEUはロシアに対する制裁として、SWIFT(国際銀行間通信協会)からロシアの大銀行を排除することになった。SWIFTというのは1973年に発足した組織。世界200を超える国・地域の1万1000にのぼる金融機関が参加。国際的な送金や決済をコンピューターで処理している。ロシアの銀行が排除されればロシアは代金が受け取りにくくなり、原油やLNGの輸出が出来なくなる可能性が大きい。
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≪1日の日経平均 = 上げ +317.90円≫
≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ≫