◇ 黙り込んだ日本銀行 = 日銀は10日、2月の企業物価を発表した。それによると、前年比の物価水準は9.3%の上昇。1月の8.9%から、さらに上昇幅を広げている。この上昇幅は石油ショックの後遺症が残っていた1980年以来の大きさ。これで12か月連続で前年比プラスを記録した。原油や資源の高騰に加え、円安が輸入物価を上昇させている。ウクライナ情勢が悪化したため、3月はさらに上昇幅が拡大しそうだ。
品目別にみると、最も上昇したのは木材・木製品で前年比58.0%の上昇。次いで石油・石炭製品が34.2%、非鉄が24.9%、鉄鋼が24.5%の上昇だった。また電力・ガス・水道は27.5%の上昇となっている。円安が進んだために、輸入物価は全体として34.0%の上昇。品目では、石油・石炭・天然ガスが84.8%も値上がりした。
企業物価というのは、企業間で取引されるモノの価格。ここからモノは小売り段階へと流れるから、消費者物価もしだいに上昇する。ただ1月の消費者物価は、まだ前年比0.2%の上昇にとどまっている。これはコロナ不況の影響で、価格の転嫁が遅れているためだ。しかし時間がたてば小売り段階でも物価が上昇、インフレ傾向が強まって行くことは避けられない。
日銀は依然として「物価が2%上昇するまでは、現在の超金融緩和政策を続ける」と言い続けている。これは「景気が回復して物価が2%程度は上昇するまで」という意味だ。ところが企業物価の動向から判断すると、消費者物価はそう遠くないうちに2%上昇するかもしれない。そうなったら、日銀はどうするのか。緩和政策を続ければ、インフレは進行するだろう。と言って金融を引き締めれば、景気が悪くなる。この点について、日銀はダンマリを決め込んでいる。
≪10日の日経平均 = 上げ +972.87円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
品目別にみると、最も上昇したのは木材・木製品で前年比58.0%の上昇。次いで石油・石炭製品が34.2%、非鉄が24.9%、鉄鋼が24.5%の上昇だった。また電力・ガス・水道は27.5%の上昇となっている。円安が進んだために、輸入物価は全体として34.0%の上昇。品目では、石油・石炭・天然ガスが84.8%も値上がりした。
企業物価というのは、企業間で取引されるモノの価格。ここからモノは小売り段階へと流れるから、消費者物価もしだいに上昇する。ただ1月の消費者物価は、まだ前年比0.2%の上昇にとどまっている。これはコロナ不況の影響で、価格の転嫁が遅れているためだ。しかし時間がたてば小売り段階でも物価が上昇、インフレ傾向が強まって行くことは避けられない。
日銀は依然として「物価が2%上昇するまでは、現在の超金融緩和政策を続ける」と言い続けている。これは「景気が回復して物価が2%程度は上昇するまで」という意味だ。ところが企業物価の動向から判断すると、消費者物価はそう遠くないうちに2%上昇するかもしれない。そうなったら、日銀はどうするのか。緩和政策を続ければ、インフレは進行するだろう。と言って金融を引き締めれば、景気が悪くなる。この点について、日銀はダンマリを決め込んでいる。
≪10日の日経平均 = 上げ +972.87円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ≫