◇ 長期にわたるウクライナ戦後処理が重荷 = 日米の株価は、このところ大きく反発した。たとえばダウ平均は年初から3月8日までに3705ドル下げたが、そこからは先週末までに2228ドル上げた。ちょうど6割ほど戻したことになる。こうした足取りからみて、今回の株価調整は3月中旬が大底だったと確認できるだろう。しかし今後もV字型の上昇が続くかというと、その可能性はほとんどない。
ウクライナ戦争はロシア側の消耗もはなはだしく、予想外に早く終わるかもしれない。だが問題は、その戦後処理だ。これまでの経緯からして、停戦が実現したからといってアメリカやNATOは直ちに制裁を解除するわけにはいかない。その時点からはウクライナ対ロシアの戦争ではなく、アメリカ・NATO対ロシアの交渉が始まることになる。この交渉は予想以上に長引くかもしれない。
西側の経済制裁が続く限り、ロシア産の原油やLNG(液化天然ガス)、希少金属や小麦の輸出はかなり絞られる。なにしろロシアの原油生産量は世界全体の1割、パラジウムは43%に達する。その供給が滞れば、品物が不足し価格が高騰する。こうした状態が数年も続くと覚悟する必要があるかもしれない。
エネルギーや資源の価格高騰は、企業と家計を直撃する。消費は減退し、企業業績は悪化するだろう。しかしインフレが進行するから、各国は金融を引き締めざるをえない。景気や企業業績にとっては、二重の重石になって来る。株式市場にとっての環境は、決して明るくない。その兆候は、まず企業の業績予想となって現われる。
≪28日の日経平均 = 下げ -205.95円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
ウクライナ戦争はロシア側の消耗もはなはだしく、予想外に早く終わるかもしれない。だが問題は、その戦後処理だ。これまでの経緯からして、停戦が実現したからといってアメリカやNATOは直ちに制裁を解除するわけにはいかない。その時点からはウクライナ対ロシアの戦争ではなく、アメリカ・NATO対ロシアの交渉が始まることになる。この交渉は予想以上に長引くかもしれない。
西側の経済制裁が続く限り、ロシア産の原油やLNG(液化天然ガス)、希少金属や小麦の輸出はかなり絞られる。なにしろロシアの原油生産量は世界全体の1割、パラジウムは43%に達する。その供給が滞れば、品物が不足し価格が高騰する。こうした状態が数年も続くと覚悟する必要があるかもしれない。
エネルギーや資源の価格高騰は、企業と家計を直撃する。消費は減退し、企業業績は悪化するだろう。しかしインフレが進行するから、各国は金融を引き締めざるをえない。景気や企業業績にとっては、二重の重石になって来る。株式市場にとっての環境は、決して明るくない。その兆候は、まず企業の業績予想となって現われる。
≪28日の日経平均 = 下げ -205.95円≫
≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫