経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

増益なの? 減益なの? : 4-6月期・決算

2022-08-17 07:40:14 | 利益
◇ ソフトバンクが大混乱要因に = 上場企業の4-6月期決算がほぼ出そろった。ところが集計したSMBC日興証券は「純利益が18%の増加」と発表。日経新聞は「26%の減益」と報じている。SMBCは旧東証1部の1237社、日経は東証プライムの1160社を対象にしているが、なんで正反対の結果が出たのか。答えはソフトバンクが異常に大きな損失を計上したためである。

SMBCによると、製造業の利益は前年比で横ばい。非製造業はコロナ規制の解除で、49.7%の増益だった。また22年度の通期としては、世界経済の停滞により横ばいになるとみている。一方、日経は自動車・電機・食品が減益。商社・石油・鉄鋼が増益。通期では4%の増益になると予想した。そして最大の違いは、SMBCがソフトバンクを集計から除外、日経は算入していることだ。

ソフトバンクは3兆1627億円の損失を計上した。保有する株価の値下がりが主な原因。とにかく四半期の赤字がこんなに巨大になったことは、初めての経験だ。これを全体の集計から除外した方がいいのか。それとも算入すべきなのか。物価高や経済の正常化が企業業績に与えた影響をみるには、ソフトバンクを除いた方がいいかもしれない。だがソフトバンクも上場企業の1員であることに違いはない。

この問題は、あとあとまで尾を引く。たとえば7-9月期の決算が増益になったとしよう。この場合「2期連続の増益」とは書きにくい。しかし「一転して増益」でもなさそうだ。さらに来年の4-6月期についても、全く同様の事態が発生する。その結果、「ソフトバンクを入れたら増益、入れないと減益」なんて判りにくい発表になりませんように。

        ≪16日の日経平均 = 下げ -2.87円≫

        ≪17日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>