◇ またもや逆説の論理が支配 = 先週金曜日の朝、アメリカでは労働省が8月の雇用統計を発表した。失業率はやや上昇したが、非農業雇用者は31万5000人も増加。雇用はいぜんとして堅調なことが確認された。これを受けてニューヨーク市場では、株価が上昇している。ところが午後になると株価は下落に転じ、終り値は300ドル以上も値下がりした。雇用が堅調だと、FRBの厳しい引き締め政策が持続すると考えられたためである。
非農業雇用者の増加数は、事前の予測通りだった。このため市場は、最初は安心して受け入れた。しかし雇用者の増加は20万人もあれば十分と言われているから、実際は2倍に近い増加数。特に平均時給が5.2%も増えたことで、物価はさらに押し上げられるという見方が強まった。その結果「9月の利上げ幅は0.75%にならざるをえない」という推測が大勢を占め、株価は下落している。
雇用だけではない。たとえば製造業や非製造業の景況指数が上昇しても、株価は下がることが多い。こうした「好景気を示す経済指標は売り材料」という逆説的な論理は、これまで何度も通用している。だが、こうした論理が長続きすることはない。なぜなら本当に景気が悪化したら、株価が上がることはないからだ。
いま市場に最も影響を与える経済指標は、やはり物価だろう。物価がさらに上がれば、厳しい引き締めが長く続かざるをえない。そして物価の動向が判明するまでは、強すぎる景気指標が株価を下げる。そういう意味で言うと、来週13日には8月の消費者物価が発表される。さらに再来週21日には、FRBの政策決定会合が控えている。市場関係者にとっては、気の抜けない日々が続く。
≪5日の日経平均 = 下げ -31.23円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
非農業雇用者の増加数は、事前の予測通りだった。このため市場は、最初は安心して受け入れた。しかし雇用者の増加は20万人もあれば十分と言われているから、実際は2倍に近い増加数。特に平均時給が5.2%も増えたことで、物価はさらに押し上げられるという見方が強まった。その結果「9月の利上げ幅は0.75%にならざるをえない」という推測が大勢を占め、株価は下落している。
雇用だけではない。たとえば製造業や非製造業の景況指数が上昇しても、株価は下がることが多い。こうした「好景気を示す経済指標は売り材料」という逆説的な論理は、これまで何度も通用している。だが、こうした論理が長続きすることはない。なぜなら本当に景気が悪化したら、株価が上がることはないからだ。
いま市場に最も影響を与える経済指標は、やはり物価だろう。物価がさらに上がれば、厳しい引き締めが長く続かざるをえない。そして物価の動向が判明するまでは、強すぎる景気指標が株価を下げる。そういう意味で言うと、来週13日には8月の消費者物価が発表される。さらに再来週21日には、FRBの政策決定会合が控えている。市場関係者にとっては、気の抜けない日々が続く。
≪5日の日経平均 = 下げ -31.23円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 上げ≫