◇ 金融引き締めの厳しさを実感 = ニューヨーク株式市場は先週、予想外に高かった8月の消費者物価に驚き、大幅に値を下げた。そうしたなかで専門家は、特に2つの事実に注目している。1つは消費者物価の中身。ガソリン価格が下がったにもかかわらず、住居費・医療費・教育費などが上昇して物価全体を押し上げた。これらの費目はいったん上昇すると下がりにくい。今回のインフレは、中途半端な金融引き締めでは収まらない。
もう1つは、FRBによる量的引き締めが効いてきたこと。FRBは5月から国債と住宅ローン担保証券への再投資を止める形で、金融の量的引き締めを実施してきた。これまでは月額475億ドルの資金吸収だったが、9月からは倍の950億ドルに。これがじわじわと効き始め、信用度の低い債券の利回りが急騰。2年もの国債の利回りも上昇して、10年もの国債の利回りを上回った。景気後退の前兆とされる逆イールドと呼ばれる現象の出現である。
これまで市場では「物価は秋になれば下がり始める。来年春には金利の引下げもありうる」という希望的な観測が、綿々と続いてきた。これが今回のCPIショックで、ほぼ消滅したと言っていい。同時に市場は、カネ余りが生み出したバブル相場も終了したと感じ始めている。要するに、正気に返ったとも言えるだろう。
もう今後は、これまでのように豊富な投資資金に頼ることはできない。とすれば、株価は企業の収益動向によって動く度合いが強まるだろう。したがって景気後退に陥ったとしても、業績を維持できる企業はどこか。銘柄の選別は厳しくなるに違いない。だが本来は、それが株式投資の常道。ニューヨーク市場は、正しい道を歩み出そうとしているように思われる。
≪20日の日経平均 = 上げ +120.77円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
もう1つは、FRBによる量的引き締めが効いてきたこと。FRBは5月から国債と住宅ローン担保証券への再投資を止める形で、金融の量的引き締めを実施してきた。これまでは月額475億ドルの資金吸収だったが、9月からは倍の950億ドルに。これがじわじわと効き始め、信用度の低い債券の利回りが急騰。2年もの国債の利回りも上昇して、10年もの国債の利回りを上回った。景気後退の前兆とされる逆イールドと呼ばれる現象の出現である。
これまで市場では「物価は秋になれば下がり始める。来年春には金利の引下げもありうる」という希望的な観測が、綿々と続いてきた。これが今回のCPIショックで、ほぼ消滅したと言っていい。同時に市場は、カネ余りが生み出したバブル相場も終了したと感じ始めている。要するに、正気に返ったとも言えるだろう。
もう今後は、これまでのように豊富な投資資金に頼ることはできない。とすれば、株価は企業の収益動向によって動く度合いが強まるだろう。したがって景気後退に陥ったとしても、業績を維持できる企業はどこか。銘柄の選別は厳しくなるに違いない。だが本来は、それが株式投資の常道。ニューヨーク市場は、正しい道を歩み出そうとしているように思われる。
≪20日の日経平均 = 上げ +120.77円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫