経済なんでも研究会

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誰のための 金融緩和なのか? (上)

2022-09-08 07:44:18 | 日銀
◇ 物価の高騰で国民は悲鳴 = 日本円の対ドル相場が144円まで下落した。1998年8月以来24年ぶりのことである。当時は日本長期信用銀行が破たんするなど、金融危機の真っただ中。しかし現在の日本経済に危機は存在しない。政府は「景気は持ち直している」と現状を認識しているほど。それなのに円相場がここまで下落するのは、なぜなのだろう。

最大の原因は、言うまでもなく日米間の金利差が拡大したことにある。FRBが厳しい引き締め政策を断行する一方で、日銀はいまだにゼロ金利政策に固執。このため金利の高いドルが買われ、円が安くなった。たとえば2年もの国債の利回りでみると、昨年末にはその差が0.8%だった。それが現在は3.6%前後に拡大している。

さらに輸入企業のドル需要が大きいことも、ドル高・円安を招く要因となっている。たとえば7月の貿易収支は1兆4317億円の大赤字だった。輸入企業は、この赤字の約7割をドルで支払わなければならない。このドル需要を5-7月の平均でみると、年率換算で37兆円にものぼるという。それだけドルが買われ、円が売られたことになる。

円安は輸入物価を上昇させる。1ドル=100円で買えたものが140円になるからだ。物価高は本来ウクライナ戦争によって惹き起こされたものだが、円安によって加速する。小売りの店頭で値上げされた商品は2万品目にのぼり、平均価格は14%も上昇した。円相場が今後145円-150円に下落すれば、物価の騰貴はさらに進む。日銀はなぜ、この状態を放置するのだろうか。

                        (続きは明日) 

        ≪7日の日経平均 = 下げ -196.21円≫

        ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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