経済なんでも研究会

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錆びた 宝刀 : 政府の為替介入 (下)

2022-09-28 07:48:40 | 円相場
◇ 政府側の最大の弱点は論理的な矛盾 = いまアメリカはインフレ退治に懸命となっている。このためドル安を志向する協調介入はできず、日本政府の単独介入になってしまった。これでは伝家の宝刀も、切れ味は鈍る。さらに介入の原資となる外貨準備の大半はアメリカ国債。これを売ればアメリカの金利が上がってしまうから、売るわけにはいかない。すぐに転用できるのは、外貨預金など1400億ドル程度に限られる。

BIS(国際決済銀行)の調査によると、東京外国為替市場では1日平均3800億ドル程度の取り引きが行われている。取り引きの大半は貿易や投資に伴う実需だが、そこに投機筋の円売りが乗っかってくる。投機筋の出方にもよるが、ここでドルを売って相場を動かすのには相当のドル資金が必要なことは明らかだ。

日本政府にとって最大の弱点は、介入が抱える論理的な矛盾だろう。円安の進行は許容できないから、介入する。だが円安そのものを許容しているのは、日銀のゼロ金利政策である。政府・日銀は「急激な円安は許せない」と弁明するが、緩やかな円安なら認めるのか。どうしても論理に矛盾がある。投機筋が頼りにしているのも、この矛盾の論理崩壊だ。

円相場が145円に近づくと、政府は再び宝刀を振りかざす。投機筋はいったん退いて、また攻め戻す。こんな展開が数週間は続くのではないか。そのうちに介入の原資が枯渇するか、それとも投機筋が諦めるか。結果を予測することは不可能だ。それにしても、日銀がゼロ金利政策への固執を止めれば、問題はすぐに解決するのだが。

        ≪27日の日経平均 = 上げ +140.32円≫

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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