◇ 中継輸送は名案、スピードアップは愚策 = 多くの企業が、トラック運転手不足への対策を始めた。まずは協業。これまで競争関係にあった同業者が、1台のトラックに両社の製品を乗せて運ぶ。また異業種間での協業も、すでにいくつかが実現している。さらに同業他社に、荷物の一部を委託するケースも現れた。要するに厳しい人手不足という現実を前にして、トラック業界は競争よりも協調を選び始めた。
こうしたなかで業界が編み出した中継輸送方式は、なかなかの名案だ。たとえば東京から大阪へ向けて、運転手Aがトラックを走らせる。一方、大阪からはBが東京へ荷物を運ぶ。この両者を中間の静岡県で交代させるのが中継方式。AはBが運転してきたトラック、BはAが運転してきたトラックに乗って東京、大阪に帰る。これまでとは違って、AもBもその日のうちに自宅へ戻れる。労働条件が大幅に改善されるわけだ。
政府もこの方式を評価し、全国に数か所の中継基地を作る方針。だが政府が検討している対策のなかに、大型トラックの高速道路におけるスピード制限を緩和する案がある。現在80キロに制限している最高速度を100キロに引き上げ、それだけ輸送力を増強しようというわけだ。だが、これは安全性を度外視する全くの愚策。止めた方がいい。
トラックの代わりに、鉄道の利用を増やす傾向もみえている。新幹線で生鮮食品を運ぶ実験も始まった。しかし、これらの対策をすべて実行しても、トラック業界の人手不足が解消することはないだろう。その結果は、運賃の値上げと過剰サービスの廃止に向かう。たとえば宅配便の配達日指定などは、有料になるか廃止される可能性が強い。
(続きは明日)
≪5日の日経平均 = 上げ +548.48円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
こうしたなかで業界が編み出した中継輸送方式は、なかなかの名案だ。たとえば東京から大阪へ向けて、運転手Aがトラックを走らせる。一方、大阪からはBが東京へ荷物を運ぶ。この両者を中間の静岡県で交代させるのが中継方式。AはBが運転してきたトラック、BはAが運転してきたトラックに乗って東京、大阪に帰る。これまでとは違って、AもBもその日のうちに自宅へ戻れる。労働条件が大幅に改善されるわけだ。
政府もこの方式を評価し、全国に数か所の中継基地を作る方針。だが政府が検討している対策のなかに、大型トラックの高速道路におけるスピード制限を緩和する案がある。現在80キロに制限している最高速度を100キロに引き上げ、それだけ輸送力を増強しようというわけだ。だが、これは安全性を度外視する全くの愚策。止めた方がいい。
トラックの代わりに、鉄道の利用を増やす傾向もみえている。新幹線で生鮮食品を運ぶ実験も始まった。しかし、これらの対策をすべて実行しても、トラック業界の人手不足が解消することはないだろう。その結果は、運賃の値上げと過剰サービスの廃止に向かう。たとえば宅配便の配達日指定などは、有料になるか廃止される可能性が強い。
(続きは明日)
≪5日の日経平均 = 上げ +548.48円≫
≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫