◇ 労働需給が明らかに緩和 = アメリカでは「間もなくインフレは終息する」という見方が、急速に強まっている。というのも、物価上昇の最大の原因とみられている労働市場の需給逼迫が明らかに緩んだからだ。その変化は、労働省が1日発表した8月の雇用統計にはっきりと表れた。市場では「FRBは9月の利上げを見送る」という観測が圧倒的に強まり、同時に「経済は後退に陥ることなく、軟着陸する」との楽観論も広まっている。
雇用統計では、まず農業を除く雇用者の増加数が前月比で18万7000人にとどまった。さらに6月と7月の数字が大きく下方修正された結果、この3か月間の平均は15万人の増加となっている。非農業雇用者の増加数は20万人が適正と考えられているから、予想以上に低い数字が出たことになる。また失業率も3.8%で、前月より0.3ポイント上昇。さらに平均時給も前年比4.3%の増加で、前月より0.1ポイント低下した。
インフレは、モノとサービスの価格が上昇することによって進行する。アメリカではウクライナ戦争の勃発で、初めはエネルギーや資源、食料などモノのインフレが進行した。そのあと人手不足による賃金の上昇が引き金となって、各種サービスの価格が上がっている。労働需給の緩和は、このサービス・インフレの終息につながると期待されているわけだ。
ただし、この労働需給緩和がじっさい物価をどのくらい下げるかは不明。FRBは当然、これから発表される消費者物価など物価関連の指標をみてから金融政策を決めることになるだろう。また雇用者の増加数が鈍り、失業率が上昇することが、消費に悪影響を与えないかどうか。もし消費が委縮するようだと、経済の軟着陸は望めない。今後の物価と消費の動向には、注意が肝要だ。
≪4日の日経平均 = 上げ +228.56円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
雇用統計では、まず農業を除く雇用者の増加数が前月比で18万7000人にとどまった。さらに6月と7月の数字が大きく下方修正された結果、この3か月間の平均は15万人の増加となっている。非農業雇用者の増加数は20万人が適正と考えられているから、予想以上に低い数字が出たことになる。また失業率も3.8%で、前月より0.3ポイント上昇。さらに平均時給も前年比4.3%の増加で、前月より0.1ポイント低下した。
インフレは、モノとサービスの価格が上昇することによって進行する。アメリカではウクライナ戦争の勃発で、初めはエネルギーや資源、食料などモノのインフレが進行した。そのあと人手不足による賃金の上昇が引き金となって、各種サービスの価格が上がっている。労働需給の緩和は、このサービス・インフレの終息につながると期待されているわけだ。
ただし、この労働需給緩和がじっさい物価をどのくらい下げるかは不明。FRBは当然、これから発表される消費者物価など物価関連の指標をみてから金融政策を決めることになるだろう。また雇用者の増加数が鈍り、失業率が上昇することが、消費に悪影響を与えないかどうか。もし消費が委縮するようだと、経済の軟着陸は望めない。今後の物価と消費の動向には、注意が肝要だ。
≪4日の日経平均 = 上げ +228.56円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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