経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

効き目が薄い 引き締め政策 / アメリカ (上)

2023-04-25 07:30:08 | アメリカ経済
◇ インフレ圧力が衰えない = FRBは来週5月2-3日に開くFOMC(公開市場委員会)で、政策金利をさらに0.25%引き上げる見込み。物価上昇の勢いが衰えないためで、市場も完全に織り込んでいる。年内には利下げに転じるという期待も、ほぼ消滅した。この結果、かつては5.1%程度と想定された年末の政策金利は、ついに6%に近付くという予想が一気に強まっている。

アメリカのインフレ圧力は、一見すると鈍化したようにもみえる。たとえば3月の消費者物価は、前年比5.0%の上昇にとどまった。2月の6.0%上昇からは、目に見えて改善している。ところがエネルギーと食品を除いたコア指数は5.6%の上昇で、2月より上げ幅が0.1ポイント拡大した。要するに総合指数の改善は、原油の国際価格が下落したことによるもの。金融引き締めの効果が出たわけではなかった。

人手不足がもたらす賃金面からのインフレ圧力も、いぜん続いている。3月の雇用統計によると、平均時給は前年比4.2%の増加となお高い。このためヘルスケア・小売り・旅行部門では値上げが続き、物価水準全体を押し上げている。人手不足はコロナ禍で離職を余儀なくされた人が、なかなか元の職場へ復帰しない。少しでも高い賃金を求めて転職する人が増えているためだ。

インフレ抑制のため、FRBが金融政策を引き締めに転換したのは昨年3月。そこから急ピッチで利上げを繰り返し、政策金利の水準はすでに5%に達した。またFRBは昨年7月から量的引き締めも開始、原則として毎月950億ドルの国債などを市場に売り戻している。だが、こうした大規模な金融引き締め政策にもかかわらず、インフレ圧力は収まらない。なぜだろう。

                     (続きは明日)

        ≪24日の日経平均 = 上げ +29.15円≫

        ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ≫


コメントを投稿