経済なんでも研究会

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ウクライナ支援予算を削除 : アメリカ議会

2023-10-03 07:44:49 | アメリカ
◇ 土壇場で‟つなぎ予算”は成立したが = アメリカの上下両院は30日夜、48日分の暫定予算を可決した。これにより政府による支払い不能や一部政府機関の閉鎖は、土壇場で回避された。バイデン大統領も「不必要な危機を免れることが出来た」と評価。ウオール街も一息ついた形。しかし、この暫定予算ではウクライナ支援のための予算がすべて削除された。その影響は、想像以上に大きいかもしれない。

アメリカの議会は、いわゆる‟ねじれ議会”。上院は与党の民主党だが、下院は野党の共和党が過半数を占める。このため10月1日から始まる新年度の予算審議が難航。成立が危ぶまれたことから、与野党は暫定予算を編成することで合意していた。ところが下院の超保守派といわれる21人の議員が造反。この予算にも反対したため、政府資金の枯渇が心配されていた。

共和党のマッカーシー下院議長はぎりぎりの30日夜、新しい妥協案を提示。超保守派も合意して、暫定予算が成立した。しかし超保守派を納得させるため、この妥協案にはウクライナ支援のための予算が全く含まれていない。バイデン政権はこれまで439億ドル(6兆5000億円)の資金を予算に計上、この10-12月にも240億ドルを要求していた。

専門家によると、当面は使い残しの予算もあることから、大きな支障は出ないという。しかし11月17日になれば、再び同じことが起こるだろう。今回の造反で味を占めた超保守派は、同じ行動を繰り返すに違いない。また本予算の内容についても、影響が及ぶ公算は大きい。その後ろには、トランプ前大統領の影も見え隠れする。ウクライナ戦争や世界秩序の行く方をも左右する、大きな問題に発展するかもしれない。

        ≪2日の日経平均 = 下げ -97.74円≫

        ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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