経済なんでも研究会

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牽引車ドイツの 失速 (上)

2019-10-03 08:18:55 | ヨーロッパ
◇ 10年間のうたげは終わった = 着実な景気拡大を続けて、EU経済を引っ張ってきたドイツ。そのドイツ経済が失速した。実質GDP成長率は4-6月期に年率でマイナス0.3%に沈下したが、7-9月期もマイナス成長になることが確実とみられている。しかも経済の低迷は長期化する可能性が大きく、経済紙ハンデルスプラットは「10年続いたうたげは終了した」と書いている。

EU経済の牽引車にブレーキがかかったのは、輸出が急激に減退したため。特に自動車の輸出は1-8月で、前年比14%の減少。このため生産台数も316万台と、前年比11%の大幅減となった。米中経済戦争の影響もあって、中国での売れ行き不振が大きい。こうした状況は長く続くと考えられ、ドイツ連銀も「7-9月期もマイナス成長となり、景気後退入りは避けられそうにない」と予測している。

ドイツ経済の停滞が、EU諸国に与える悪影響はきわめて大きい。フランスやイタリアはもちろん、ドイツに工業部品を供給しているハンガリーなどの経済を圧迫することは間違いない。このためEU内部では、ドイツに財政支出による景気対策の早急な実施を求める声が上がっている。

これまでドイツは、厳しい財政規律を守ってきた。だが今回は、政府も景気対策を重視。メルケル政権は9月20日、その第1弾として23年までに環境技術やインフラ投資に500億ユーロ(約6兆円)を支出することになった。これでは力不足の声も出ているが、ドイツが財政出動に転換したという事実は大きい。

                             (続きは明日)

       ≪2日の日経平均 = 下げ -106.63円≫

       ≪3日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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