魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

判断不能なワイン

2007年06月17日 | ワイン ~2019年
1995 コート・デュ・ローヌ (ベラール・ペール・エ・フィス)
   フランス、ローヌ地区、赤、2千円前後?

ラベルには「キュヴェ・プレステージ」とも書いてあります。
ちょっとエラそうです。

色はやや軽めで、濃いめのピノ程度です。
香りはふんわりと腐葉土、ベリー、ちょっとスモーキーでほこりっぽくもあります。
味わいは優しくて、当たり障りなくって、実に心地良く飲めてしまいます。

ただ、スルスルと入り過ぎるのは、個性が弱いとも言えます。
しかし、95年ですよ。12年も経っていますのでそれも分かります。
これを良しとするか、ダメだというかは評価の別れるところでしょう。

ポテンシャル的には弱い。クセやキャラも感じない。濃さもない。
しかし、無難に上手くまとまっている。柔らかで優しい。誰が飲んでも
素直に熟成感と単純だけど旨さを味わえる・・・・逆の意味で諸刃の剣かよ!

実に判断不能なワインです。

ただ、今当店には97年物のワインが1380円でありますので、2千円も出して
この無難すぎるワインを売る必要性を見出せないのです。
残念ながら見送りましょうかねぇ。

ワインの面白さのひとつですが、年を重ね、熟成するほどに、もともとの個性が
弱くなっていきます。熟成感の方がテロワールや造り手の技量を上回ると考えても
いいのかも知れません。
私が若いワインが好きなのは、個性やアイデンティティーを感じていたいから・・・
だと、つい実感します。


コメント
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