今回の衆議院選挙の余韻が未だ冷めやらず、与党にとっては悪夢のような感じさえ
しているのかも? 解散→総選挙のタイミングでは、厳しいとは思っていたでしょうが
まさかここまで(与党で過半数割れ)とは思っても見なかったのでは?
政治にはとんと無関心に近い派?かもしれませんが、それでもこのような思いがよぎり、
少しは思い上がりを反省し、より緊張感を高めてもらいたいと願っています。
しかし、緊迫した国際情勢、極東の安全・・などに目を向けると、瞬時たりとも政治を
緩めることはできないというのに、いわばお家騒動?みたいなまとまりの付かない状況
だとしたら、何をかいわんやで、それこそ取り返しのつかない淵にはまってしまうかも
しれません。何とか、立て直して前に進めて欲しいものです。
このような心配を抱きながらも、不思議な日本語の54回目を綴ってみたいと思います。
(早や今月も終りとなるのです。)
人体の部分を含んだ言葉をシリーズで並べてみているのですが、これまで、手、足、頭、
首‥と来て、いよいよ今回は、「顔」とその構成部品である目、鼻・・などを含んだ
言葉に挑んでみたいと思います。
マンネリ化して、「飽きてきた?」かもしれませんが、お付き合いの程を・・。
では。
『顔』 ウイキペディアに顔とは『人間の、頭部の正面の大部分を顔と呼ぶ。下は
顎の先端から上は頭髪の生え際まで、左右は耳までがほぼ顔である。』とまぁ、この
ような定義? がなされていますが、『一般に顔(かお、かんばせ、英: face)とは、頭部
の正面、前面を指す。「面(つら)」「面(おもて)」ともいう。ヒトの顔には重要な
感覚器である眼、耳、鼻、口などが集まり、かつ全体が左右対称になっている』とあり
ます。
早速、顔を使った慣用句を挙げてみますと・・「顔を立てる」「顔を出す」「顔が
広い」「顔に泥を塗る」「大きな顔をする」「顔が効く」「顔役」などが挙げられます
が、頭部の前面という形状的な「顔」というよりは、人物の知名度や権力などといった
面を代表しているようです。顔が持つ意味というか、顔にはいろんな力があるのですね。
(LiveJournalより)
ウイキに、「顔の役割」という下りがありました。例えば顔面による個体の識別が
できるというのですね。 顔を見れば、誰だれさんかわかりますし、男女や外国人など
の識別もある程度可能です。また、表情によって感情を表現することができ、それらに
よってコミュニケーションが図られますね。このような社会的な面での役割? 機能を
有しているほか、「顔色」などによってその人の精神や健康の状況をも表しているの
です。
「顔色を窺う」は、相手の気持ちを読もうとすることを言い、「顔に書いてある」や
「仏の顔も三度」「顔色を失う」などもあります。
(ネット画像より)
ちょっと離れて、身近な植物「朝顔」(昼顔、夕顔)は、その花のことを指して「顔」
と言っていると思われますが、なぜ「顔」なんでしょうね。 ネットに『アサガオと
いう名前は、朝に花を咲かせる様子から「朝の容花(かおばな)」という言葉に由来
しています。』とあり、『奈良時代に中国から渡来したアサガオは、朝に花を咲かせ、
日が暮れるにつれてしぼんでしまう様子を「朝の美人の顔」に例えたことが由来ですが、
もともとは朝に花が咲く植物を総称した名前で、桔梗や昼顔なども含まれていた。江戸
時代頃に現在と同じ区別に変わった。また、アサガオの英語名は「Morning glory(モー
ニンググローリー)」で、「朝の輝き」や「朝の栄光」という意味です。』と解説が
続きます。
また、「顔」(この説)の冒頭に「かんばせ」と解説がありましたが、「かんばせ」
とは、顔つき、顔の色との意で、「花のかんばせ」は、花のように美しい顔つきを意味
しているとあり、アサガオの顔は、こちらの意味に近いのかもしれないですね。
『目』または『眼』に移ります。 「目を丸くする」「目を吊り上げる」「目をそ
らす」などはその表情から、感情や驚きを表していますし、「目をかける」「目を見張る」
「目ざとい」「目くばせ」などは、意志や行動を伴う行為にまで及んでいます。
また、「目からうろこ」は、パッと見開いたように理解できた時の表現、「目も止ま
らぬ速さ」は、観ることは一瞬で出来ますが一瞬よりも早いと強調しています。「目は
口程に物を言う」もあります。「目から火が出る」!「目玉商品」!!
言葉としてはまだまだあります。「目分量」「目測」「目盛」「目上/目下」「目視」
「目的」「目標」「科目」「皆目」さらに「目星」「目線」「目尻/目頭」。
また、畳やのこぎりにも「目」があるのですね。
「瞼」(まぶた)は、目の蓋(ふた)つまり、蓋なんですね。
目の傍にある「眉」も「眉を吊り上げる」や「眉唾」「眉を顰める」・・など。
「媚態」などは、どこか眉に関わりがあるのでしょうね。
『鼻』では、「鼻が高い」は誇らしい気持ちや得意である様子を表していますし、
「鼻が効く」「鼻を利かす」「鼻で笑う」「鼻を鳴らす」「鼻を折る」や「鼻につく」
「鼻であしらう」「鼻にかける」「鼻持ちならぬ」など、様々な表現がありますね。
(ac-illust.comより)
『口』はどうでしょうか? 「目は口程に物を言う」「口は禍の元」「口下手」
「減らず口」「口角泡を飛ばす」「口が軽い」「口が堅い」「口が重い」「口癖」など
は、声を発する、つまり喋ることを言っていますね。そしてその状況などについて
「早や口」「タメ口」「口数」「口癖」があり、「口から先に生まれた」などもあり
ます。
これの延長に「口頭」「口述」「口論」「口伝」「口上」があります。「口笛」も
そうでしょうか? 「口減らし」は、食べる口の数を減らす、つまり人を減らすことを
意味しています。
「人口」とは何でしょう? ネットを見てみましたら、人の口の数を意味している
のではないようです。古代中国での人数や物の数を数える単位として用いられていた
ことに由来しているとあります。つまり、「人口」は「人の数」や「人々の総数」を
示す言葉ですよね。
「小口/大口」というのも少し違った意味合いなんでしょうね。量的なまとまりを表し
ているようです。
形状が口を開いているところから、「蛇口」「出口/入口」「河口」「火口」「がま口」。
「保険を3口かけている」は「口座」などと同じ意味で、お金などが出入りする箱の
意味からなのでしょう。
(日産オンラインショップより)
口の中に入っていきましょう。「舌を巻く」「舌の根も乾かぬうち」「饒舌」・・
などがあり、『歯』に関しても「歯の浮くような」「奥歯にものが詰まったような」
「歯を食いしばる」などがりますが、「歯に衣着せぬ」は、ずけずけと物を言うとの
意味で、面白いですね。 歯を隠さずにむき出しにした‥との意から来ているのでしょ
うか?
「喉から手が出る」これも不思議な言い方だと思います。ひどく空腹な状態で食べ物が
欲しくてたまらない‥喉から手が出てしまいそうな状況を言い表しているとあります。
「喉を鳴らす」はおいしそうな食べ物を見て、つばを飲み込むような状況の意とあり
ます。「のど元過ぎれば熱さ忘れる」はその時だけ熱い(苦しい、つらい)思いもすぐ
に忘れてしまう喩えでしょうか。
長くなりましたがもう少しです。
『耳』はあまり浮かばなかったです。「耳寄り」「初耳」など、「聞く」という意味に
使われています。「耳年増」「耳障り」。 ちょっと違うところで、パンや本にも耳が
ありますね。
あと、単発的ですが、「顎が落ちる」「顎を出す」や「ほっぺたが落ちる」・・など、
顔についてもかなりの言葉があります。 顔のそれぞれの器官そのものもありますが、
それらの機能・働きから言葉に取り入れられている側面が多いと思いました。
まだまだあるでしょうが、この辺りでお目こぼしをいただくことに・・。
Norah Jones (with Wynton Marsalis) - Come Rain or Come Shine