どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

むかしの詩集とフォト日記(14) 「下町」

2011-01-30 22:45:00 | ポエム

     とうもろこし畑



     「下町」



  星が呼ぶ

  ふうりんが応える

  見えない糸で結ばれているように



  とうもろこしが匂う

  眼裏にそよぐ緑の葉むら

  もぎたての恋が疼く



  屋台が通る

  爺さんアセチレン灯を消しなよ

  虫の声に火がついた



  南部鉄のふうりん

  一陣の涼風

  つり鐘の中で小さな闇がゆれる





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2 コメント

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恋わずらい (窪庭忠男)
2011-02-04 21:39:10
     
二十歳代の詩なもので、なんだか粋がっているようです。
このころは、本当に「恋わずらい」と言っていいほど夢中になれたんですね。
     
最近は、風邪をひいて「声わずらい」中です。
情けないけど、現実です。
     
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もぎたての恋・・・か (知恵熱おやじ)
2011-02-04 17:37:40
恋というものはどれほど熱烈な恋でも、4年たてば日常的感情のひとつになってしまうとか・・・。

だからその相手と生涯を共にしようと望むなら、炎が燃え盛っている最初のうちに決定的な関係に入らなければ、ただの親しい友人に終わってしまう・・・そうだ。
つまりは「もぎたて」の勧めというわけですかね。

最近何かで読んだか見聞きしたかして「なるほどな」と納得させられたた言葉を、この詩に誘発されて思い出しました。

でもその言葉に接した状況がどうしても思い出せない・・・年取ったんだなあーと嘆息するばかり。

もぎたてバンザイ!

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