タチアオイ
(城跡ほっつき歩記)より
さよなら また会ったね
夏の思い出たち
ぼくの好きな花
ぼくの好きな人
夏休みの前だったよね
おなじ駅で会うあなたに
おそるおそる手紙を渡した
振り返った目がはっと輝いて
なんだろう このときめきは
半世紀をさかのぼって顔が火照る
初めてのデートは人目を気にして
立葵の咲く田舎道だった
思い出の花 タチアオイ
汗ばむあなたの額に手を伸ばし
好きだよと 風がふれる
おずおずと ぼくが触れる
さよなら また会ったね
夏の思い出たち
あなたは花の中でも特別だった
歳月はこの瞬間にもタチアオイ
たちあおい 立葵
なんて美しいんだ あなたは
狂ったような夏の日差しの下
いつまでも思い出のなかで
href="http://novel.blogmura.com/novel_short/"
<短編小説ブログ・ランキング用バナー>が復活しました。
あんなにクソ暑い夏のためにグッタリとなっていたのに、不思議なもので、秋の気配が漂ってくると、夏の終わりの寂しさを感じます。
ことしの夏は本当に暑かったし、自然災害も多かったですね。
それでも、過ぎてみるとなんだか寂しい気がする。
われわれの体にしみ込んだ季節の感覚みたいなものが、そう思わせるのでしょうか。