どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

ポエム205 『夏の思い出たち葵』

2018-08-10 10:15:38 | ポエム

   

     タチアオイ

    (城跡ほっつき歩記)より

 

 

 

  さよなら また会ったね

  夏の思い出たち

  ぼくの好きな花

  ぼくの好きな人

 

  夏休みの前だったよね

  おなじ駅で会うあなたに

  おそるおそる手紙を渡した

  振り返った目がはっと輝いて

 

  なんだろう このときめきは

  半世紀をさかのぼって顔が火照る

  初めてのデートは人目を気にして

  立葵の咲く田舎道だった

 

  思い出の花 タチアオイ

  汗ばむあなたの額に手を伸ばし

  好きだよと 風がふれる

  おずおずと ぼくが触れる

 

  さよなら また会ったね

  夏の思い出たち

  あなたは花の中でも特別だった

  歳月はこの瞬間にもタチアオイ

 

  たちあおい 立葵

  なんて美しいんだ あなたは

  狂ったような夏の日差しの下

  いつまでも思い出のなかで

  

 

  

 

 

href="http://novel.blogmura.com/novel_short/"

 <短編小説ブログ・ランキング用バナー>が復活しました。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どうぶつ・ティータイム(2... | トップ | ポエム206 『馬酔木が誘う月... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
夏の終わり (ウォーク更家)
2018-09-15 09:44:33
そうですか、夏の思い出は、たち葵ですか。

あんなにクソ暑い夏のためにグッタリとなっていたのに、不思議なもので、秋の気配が漂ってくると、夏の終わりの寂しさを感じます。
返信する
夏を惜しむ (tadaox)
2018-09-16 08:35:16
(ウォーク更家)様おはようございます。
ことしの夏は本当に暑かったし、自然災害も多かったですね。

それでも、過ぎてみるとなんだか寂しい気がする。
われわれの体にしみ込んだ季節の感覚みたいなものが、そう思わせるのでしょうか。
返信する

コメントを投稿

ポエム」カテゴリの最新記事