アケビ
(城跡ほっつき歩記)より
あけび 明け日 朱火
開け陽 朱実 通草
木通 アケビ 開け日
熟れてなくても 開け実
あ・け・び・・・・
懐かしいヒビキ
ふるさと 里山 雑木林
見上げる先に 薄紫のまなざし
思い出の甘さ ほんのり
木々にとりつく 蔓の先には
秋色の 風にゆらいで
恋のかたちも
口の中の 模糊たる味は
冷えた番茶と 彼岸のおはぎ
ばあちゃんの墓前に
萩の花 ちらほら
失意のたびに 山鳩啼いて
寂しさに奥山おもう
暮れなずむ 空の鈍色
慰めは 開け実のほほ笑み
ご利用いただいた画像は山梨県甲州市内で昨年9月20日に撮影したのものです。
峠部分の林道から見ると北側の尾根筋に階段状の郭跡とみられる削平地が存在していましたが、余り人工的な加工は顕著ではない、そういう意味では武田氏の烽火台(のろしだい)に相応しい城跡の一つでした(笑)
この城跡が所在する尾根筋の東側斜面の中腹あたりの標高800メートルほどの林道脇に自生していたものです。
山全体が色づくには時期尚早でしたが、麓の方ではぶどう狩りシーズンでかなりの賑いを見せておりました。
このアケビも、「すみません~ 少し早いけど ものはためしに ど~ぞ~」とでも言いたげにして、その実を曝しておりました。
このためその実からも、期待通りに甘いというよりも酸っぱく青臭いような味が伝わってきました(汗)
目ざとい野鳥の類も試食してはおらず、木枯らしの吹く前後あたりが狙い目なのかもしれません。
いつもご利用、ご紹介いただき感謝申し上げます。
ご専門の城跡・出城・烽火台などの研究とともに、野草や野花、果実の写真を撮られ、充実した図鑑として開放していただき助かっております。
あけびの甘さは、現代人には物足りなさを伴うほど奥床しいもので、そこに郷愁を感じています。
武田氏に付き従う武士(もののふ)も、さぞ自然の味に悦びを感じたことと思います。
あけび採りのおばあさんが、熊と遭遇して襲われたなどの話もあり、呼び名の多彩さとともに、なかなかに複雑な風景をつくりだしているのではないでしょうか。