長崎の名産であるカステラは高級なお菓子であります。ある程度裕福でない限り、むかしから自宅用に買うことはまずありえない品でありまして、親戚を訪れるときなどの「お使い品」に使われます。棒のように長四角のものを2cmぐらいに切って食べるものです。
しかしだな、みなさん見たことあるでしょう?将棋盤のように縦だか横だかわからないような正方形の巨大なものが店に置いてあるんです。いったいあんなものを誰が買うんだ?買ったらどうやって切るんだ?何人家族で食べるものなのだろう・・・w(゜゜)w 子供の頃に不思議に思ったものです。
同じような疑問として、豚コマなどを買う近所の肉屋のウィンドウのはじっこには、普段一般市民が購入する肉とは値段が1ケタ違うステーキが置いてあります。あんなもんを買う人見たことありません。子供の頃に気になったりしたものです。
バナナやサトイモを買ったりする街の八百屋には、一番奥の高い棚に、箱に入ったマスクメロンが置いてあります。表面が網目でT字の蔓がついているやつですよ。あれもまた買う人を見たことがありませんでした。
考えてみれば、カステラも肉もメロンも、何日も置いておけるものではありません。それなりに売れているはずです。あんな高いものを、腐らせたり萎びさせたりできないでしょうに。誰かが買っているはずなんだ。だって置いてあるんだもん!
私が生まれ育った下町の友人に八百屋がいます。去年久しぶりに酒を飲んだとき、この長年持ち続けていた疑問に関して質問をしてみました。すると、やはり当たり前なんだが定期的に売れていたというのです。ビンボー人ばかりと思っていた下町に、何千円もするメロンを買えるやつがそんなにいるのか?と聞いてみると、いつも同じメンバーが買っていたそうです。地元の八百屋さんは、その界隈でどこの誰が金持ちなのかすべておさえておりました。ちなみに話し相手がほしいおばあちゃん達が毎日のように、ほうれん草やじゃがいもを買ったついでにたっぷりおしゃべりをしてゆくので、地元のゴシップには否応なく詳しくなってしまうようです。おそるべし、八百屋w(゜゜)w
というわけで、いま考えてみますとですね、肉屋でシモフリのサーロイン・ステーキを買うやつは、八百屋でマスクメロンを買って、縦横がわからないカステラを食べていやがるわけだな? (=゜益゜):;*.’:; 隠したってムダだ。八百屋にはネタがあがってんだぞ!
私はラスベガスの土産をくれた友人の医者とおっ母さんと、自分ち用に「普通の・チョコ・抹茶」がセットになったカステラを3箱買って帰りました。もちろん小さいやつですよ(^益^)b お店のおばさんは「送りますか?」と聞いてきましたが、たかがカステラ、そんな軽いもん持って帰るわな!と宅急便は辞退しましたが、持ってみると重いw 意外にかなり重いのだ。あなどれんぞ松翁軒のずっしり甘いカステイラ~。