
月が丘の跨線橋を渡って、千里山6丁目の関西大学体育会自動車部の前にある、駐車場の片隅に立っている大きな栗の木の下から、その青々とした枝葉の広がりを見上げると、同色の葉の間からイガグリが何個も覗いているのを見つけました。
昨年も実が熟す頃に幾つか地面に落ちている栗を拾い、刃物を入れオーブンで炙って食べました。野趣に満ちた懐かしい美味しさに、故郷で子供時代にたくさんのイガグリを長靴で踏み押さえつつ、一心に剥いていた情景が蘇りました。田舎では季節が深まれば柴栗が雑木林で拾えるようになり、小さいながらも濃い甘みとその風味を楽しみました。お袋が栗ご飯を炊いてくれたのを、一緒に拾いに行った友達と貪るように食べたのを想い出します。
“大きな栗の木の下で”小さい秋の情景が蘇りました。