もっともiPodが発売された当初には、アップル自身も直ぐに追随商品が出てきて熾烈な競争が始まるものと予想していたようです。それが年を重ねる毎に競争相手の方からコケていってしまったという結果になりました。これは戦略を練り上げていたアップルにとっても予想外の結果のようです。ソニーの現CEOのストリンガー氏も諦め気味のコメントを発さざるを得ない状況のようです。
ニューズ・ウィーク誌のITウォッチャーでスティーブ・ジョブズとも親交のあるステイーブン・レヴィ著『iPodは何を変えたのか?』には、そのようなiPod発想と開発の経緯や評価が、時系列にこだわらないシャッフル的な構成の物語りとして描かれています。初代iPodからクリップ・オンタイプのiPodシャッフルまでが対象で、iPodタッチなどの展開はまだ発売されていない時期の本ですが、十分に興味深いエピソードやインタビューに彩られた読み物となっています。
特に面白かったのは、iPodを創る積もりが初めからあったわけではなく、ソフト会社の協力が得られずiMovieという動画編集ソフトを自社制作することになったのがiTunesに繋がり、最終的にiPodやiTunes Storeに発展していったという件りです。あのスティーブ・ジョブズにしても完全に将来を読み切っているわけでは無いということ、しかし転機を捉えてからの構想・決断力にはやはり非凡なものを感じずにはいられませんでした。iPodファン必読の本でしょう!
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