高級果物と言えばもっと凄いのがあると想いますが、最近大丸ピーコックのこのバナナ・コーナーを素通りすることは難しいほど気になっています。有機バナナ(150円)と完熟バナナ(100円)が特別に1本パッケージされ、普通のバナナの盛られた上に吊り下げられています。近くにはその貴重なバナナを入れる専用容器まで売られているではないですか。
ガッツ石松さんではないですが、台湾バナナがとても憧れの果物だった時代を辛うじて僕も知っています。デルモンテなど輸入果物が大量に出回るようになってから隔世の感がありますが、最近またこのような高級品が出てきたのも時代の流れでしょうか。
完熟バナナより有機バナナの方が高いのは、食べてみるとやはり美味しさに違いがあるからで、昔バナナが高級品だった時代の味はこれだったのかと思います。完熟はあくまでも根元は同じものということで、本質的に土壌づくりから拘った品質には及ばないということかと思います。
有機リンゴ農家の木村秋則さんが世界的に脚光を浴びています。野山と同じような混生の自然な土壌環境がそれを可能にしていますが、振り返れば有機農法を唱えた福岡正信さんの米作りも、雑草や野菜などと共生する田畑で行われています。人はまだまだ自然から学ばなければならないことはたくさんあります。
【追記】「スーパーの店頭に完熟の状態でバナナが並ぶことはまずないので、この「甘熟」は「完熟」にゴロをあわせたコマーシャルですね。数あるなかから状態のいいのを選んで1本で包装していて、普通の商品と内容は同じだと聞いています。」というご指摘を、xさんよりコメントで頂きましたが、後日じっくり見たら確かに“甘熟王”でした。
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